上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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シーズン初のバックカントリー

3月に入り頭の中では春になっていくことを理解していても、どうしても納得出来ないこと。
それは雨。
せめて、もう少しだけ降らないでいて欲しい…切ない気持ちになる雨音が昨日からずっと続き、ようやく上がってきました。

『雨になりそう』な予報を目にするたびに、雪がなくなってしまう心配も付いてまわります。
天気が下り坂になる前に、ちょっぴり強引にバックカントリーに出掛けてきました。
もう2週間前のことですが…(いつも更新が遅くてゴメンナサイ)


前日に、バックカントリーにいつも一緒に行ってくれるマスターから緊急連絡が入りました。
『登るのを予定していた明後日は天気が悪そうなので、明日はどうでしょう?』とのことでした。
その『明日』はもともと休暇だったのですが、以前から約束していた『女子会ランチ』の日でもありました。

『山には行きたいけれど、約束があるんです』と返事をしたところ、『それまでに帰ってくるのはどうですか?』と再び連絡が…。
他に一緒に行ける相手が見つからない苦肉の策だったのでしょうが、マスターとの間で商談成立(!)です。
私も欲張りなので、『バックカントリー』にも『女子会』にもどちらにも行ける案に見事に飛びついてしまいました。

集合は早朝5時に休暇村の駐車場にて。
この時の日の出は6時半なので、まだまだ真っ暗です。
ヘッドランプで手元を照らしながら、スキー板にシールを貼るマスターの姿がありました。

暗闇の中では、かすかな霧とその中に水滴のような粒がライトの光に反射して見えていました。
これが雪なのか、山は晴れているのか、確認するには暗すぎます。
「とにかく行けるところまで登ってみましょう」と半ば自分に言い聞かせるように会話をしながら、ザックを背負います。

1年以上ぶりのスノーシュー。
しかも今回はリフトに乗らず上を目指すという未知の域があり、さらにタイムリミットまでも考慮しなければならないという、不安要素がいっぱいなのです。

前夜のうちに圧雪された休暇村ゲレンデの端を歩いて上を目指します。
サクサクとリズミカルにスノーシューが音を立てています。
まだ暗いのにゲレンデはぼんやりと白く浮かび上がり、行き先を示しているように見えました。

途中から瞬く星たちが見えてきました。
その中にはオリオン座もさそり座も見え、夜が明けるまで目の前に金星が光り輝いていました。

カモシカゲレンデを一気に登りきって振り返れば、東の空が少しずつ明るくなっていました。
そして眼下は、ふわふわの雲が一面に広がっていました。
雲海です。

Feb.2012 etc 018
スキー場の一番上に着いたときには、かなり明るくなってきました。
青と白とピンクのグラデーションの空の下には、乗ってしまえるんじゃないかと思うくらいの雲の海。
出発したときに見た霧や雨粒の原因はこれだったのです。
いつのまにか雲海を抜けて雲の上にいる不思議さ、景色のすばらしさに、久しぶりの早起きをして良かったと思いました。

たくさんの踏み跡のついたスキーツアーコースを登ります。
ペースだけは乱さないように、ゆっくりしっかり登っていきます。
吐く息は白く、肩にかかった髪に付いて凍っていきます。

Feb.2012 etc 115
最初の急坂をちょうど登りきったところで、朝日が見えてきました。
考えてみれば、今年になって初めてまともに見た日の出です。
一瞬空をオレンジ色に染めた太陽が顔を出した途端、辺りの景色が変わります。

前日にほんの少し雪が積もった雪面は、キラキラピカピカしています。
これから歩くツアーコースは、真っ白に見える前にほんのりピンクに色づきました。

Feb.2012 etc 044
静かな日の出前なら動物に会えるかも…と少し期待していましたが、動くものは確認できませんでした。
けれど、ピンク色の雪面に残ったウサギの足跡が、心を軽く躍らせてくれます。
どんな風に飛び跳ねていったのか想像するだけでも楽しくなります。

Feb.2012 etc 047
しばらく歩いて振り返ると、太陽はあっと言う間に高くなっていました。
自分が歩いた跡が一直線に続き、雲海はまだまだ広がっています。
時折風が優しく吹き抜けていく、穏やかな1日の始まりでした。

ツアーコースの最後の急登を登りきったところで、軽く休憩しました。
雪が少ないのは登る時には助かります。
思ったよりスムーズな移動が出来てひと安心です。

森林限界を越え、見通しの利く位ヶ原の雪原を歩きます。
風紋は緩やかに曲線を描き、ここ数日は風が強くなかったことを物語っています。
ところどころに丸く吹き溜まった新雪と硬くなった雪の上を交互に歩いていきます。
カリカリ、サクサク…足元からは色んな雪を踏む音が聞こえてきます。
Feb.2012 etc 058

時間は大丈夫。
どこを滑ろうか…しっかり状態を見ながら進んでいきます。
とてもなめらかで滑りやすそうに見える斜面に小さな小さな雪崩跡がありました。
緊張が走ります。

風はいつもより弱く、気温はこれから上昇しそうな感じでした。
ただ、体感温度はちょうどいい。
自分にとってとても歩きやすい環境でした。

摩利支天岳と富士見岳の間にある尾根を登ります。
部分部分にアイスバーンになっているところがあるけれど、怖いと思うような硬さではなく、しっかり踏みながら登ることが出来ました。

Feb.2012 etc 066
県道の3号カーブ上からの景色です。
眼下には雲海が続き、遠くの山まで見える景色に、充実感が湧き上がってきます。

Feb.2012 etc 071
歩いている斜面の向こうには、穂高連峰がくっきりと見えました。
左奥には槍ヶ岳、右には常念岳もきれいに見えます。
厳しい冬山の美しい姿です。

Feb.2012 etc 073
休暇村からスタートして3時間弱で稜線に到着です。
先に歩くマスターに(いつもながら)ずいぶん励ましてもらって、登ることができました。
例年なら見えない、夏の登山道を仕切る杭が見えていて雪の少なさを痛感しました。
でも空の澄んだ青さがとてもきれいで景色もすばらしく、登ってよかったなぁと心の底から嬉しさが湧き起こってきました。

岐阜県側へぐるっとトラバースし、富士見岳の斜面へ移動しました。
少し風があるけれど、滑り出すコンディションは問題なさそうです。
私はコルの部分から滑ることにし、山頂から滑るマスターのライディングを見守ることにしました。

Feb.2012 etc 079
「雪が少ないね」とこれまで話題になることはたびたびあったけれど、山頂直下でせり出すように顔を出した岩肌を見るのは初めてです。
例年はあの岩が完全に雪に覆われ、さらに屋根のように雪庇が育っているはずなのですが…。

マスターの勇姿を撮ろうと岩の下のほうまで板を履いて移動しました。
滑り始めた瞬間…滑った後ろとと前方でサラッと雪が崩れていきました。
前日に積もった1~2cmの新雪が崩れたのが分かりました。
小さな表層雪崩です。

上から覗き込むように見ていたマスターに「無理しないように」お願いし、滑り始めるのを待ちます。
きれいな空の青さと華麗なターンを撮ってあげたいところですが、周りが明るすぎてデジカメの画面が良く見えません。
滑る方向にレンズを向け、あとは神頼みです。

Big ride 003
気合いの入った掛け声と同時に滑り始めたマスター。
雪煙を巻き上げながら、なめらかに大きくターンして滑っていきました。
本当に一瞬の出来事です。

Feb.2012 etc 080
傾斜が緩くなる下のほうまで一気に滑り降りて、マスターが写した富士見岳の斜面です。
左側にはシュプール、その右側には滑ることで誘発されて発生した雪崩の跡が見えます。
小さく見える岩の下の黒い点が私です。

Feb.2012 etc 098
その後、沢状になっている部分を避けて滑り降りました。
滑り始めはかなり緊張しましたが、しっかり締まった雪面だったので下のほうまで滑り降りた後は気持ちよく滑ることが出来ました。
思わずガッツポーズが出ちゃうくらいの、気持ちのいいバーンでした。

Feb.2012 etc 108
交互に位ヶ原山荘までの斜面を滑り降り、最後はツリーランになりました。
木立の間をすり抜けて滑るのも楽しい時間でした。

山荘で少し休憩し、そのまま県道を下って帰りました。
ほとんど下りになるけれど、大きくカーブしたりフラットだったりして止まりそうになるたびに、背中を押してもらったり引っ張ってもらったりしました。
途中どうにもならなくなって、板を外して歩いたのですが、この時にこの日一番しんどい思いをしました。

カモシカゲレンデの中腹に出てからは一気にボトムまで滑り降り、休暇村に無事に帰りました。
安堵感と達成感。
ゆっくり浸っていたいけれど、次の約束の時間が迫っていました。
また後でと言わんばかりの勢いで荷物を車に入れ、その場を去ります。
慌てて服を着替え、汗でペタンコになった髪型のままでランチに合流し、美味しくイタリアンをいただいたのでした。

欲張りなバックカントリーになりましたが、たくさんの感動と反省がありました。
より安全に、より楽しく歩くことを目標に、これからも経験をつんでいけたら良いなと思います。



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