上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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三本杭へ

とても天気がいい12月のある日、地元の山へ登ってきました。
行き先は、三本杭【さんぼんくい】と呼ばれる山で、別名は滑床【なめとこ】山です。
この山にはちょうど2年前にも登ったことがあり、ふと思いついて登りに行くことにしました。


登り始めは、松野町の滑床渓谷です。
12月の太陽はとても低く、渓谷にはまだ朝日が射してきません。
霜が降り、凛とした冷たい空気が辺りを包んでいました。
渓谷は絶えず水の流れる音が響いています。

万年橋近くの駐車場に車を置き、準備を整えてから歩き始めます。
渓谷の遊歩道に沿ってずっと歩いていきます。
夏には観光客で賑わうこの場所も、冬の朝はひっそりと静かです。
紅葉の季節はすっかり終わってしまって、濃い常緑樹が森を覆い影を作っています。

Long Holiday 2010 099
景勝地の雪輪ノ滝。
天然すべり台状の滑らかな1枚岩。
自然が作りだした美しい眺めです。

雪輪ノ滝までは観光客が足を運びますが、ここから先は静かな遊歩道になります。
滝の奥の小さな橋を渡り右岸をさらに歩いて、上流を目指して進んでいきます。

Long Holiday 2010 104
樹の根っこが遊歩道を覆い、さらにコケが全体に生えています。
遊歩道が整備されてからずいぶんと時間の流れがあったことを感じることが出来ます。
時々見上げる斜面には、石を積み上げたような人工物の面影も残って、遠い昔はここは何かあったのかと思わせる景色にも出会うことが出来ます。

Long Holiday 2010 105
渓谷の幅はだんだん細くなっていきます。
時々目の前が開け、角の取れた岩の川原が出てきます。
千畳敷や奥千畳と名付けられた場所は、渓谷の美しさを感じられます。
ただ足元には充分注意が必要で、渓谷の水を触ろうとつるつるの岩の上を歩くのはハイリスクが伴います。
気を付けて歩いたつもりでも、ズルッといってしまいました。
痛い…(涙)

何度か水が流れる沢を渡りました。
ロープがかけてありますが、滑りそうでとても怖く、ちょっと立ち止まっては「うーん…」と悩んでしまいます。
どうしても滑って転がり落ちる自分を想像してしまうのです。

何とか無事に渡り終えました。
最後の沢を渡る頃には日が当たり始め、暖かくなってきました。

Long Holiday 2010 107
ドレッドヘアを緑色に染めたような、コケが生えていました。
この姿がとてもかわいく見えて、思わずなでなで。
すっかり冬の装いの森の中にも、フレッシュな緑が息づいています。

Long Holiday 2010 118
目の前に、1本の倒木があり横切るように倒れていました。
近づいてみると横倒しになった幹から、何本も若い樹が生えています。
ここまで立派に育つと、ただの枝ではなく、倒木を大地としたひとつの森に見えてきます。
生命力ってすごい!

苔むした木々や斜面を見ながら、苔むした登山道を歩いていると、毛むくじゃらで小さいものが遠くで動いているのが見えました。
毛むくじゃらの正体は、なんとリス。
樹の幹にしがみついていたかと思うと、くるりときびすを返してしっぽを揺らしながら、森の中に帰っていきました。
小さな命がこの森に生きていることを知ることが出来ました。

Long Holiday 2010 119
そしてさらに樹のすごさを目の当たりにしました。
5mほどの大きな岩を包み込む根っこ。
すでに根というより幹にしか見えない立派な太さです。

森の中の一生懸命な生命に心打たれながら、自分の体に軽くムチ打ち登りに精を出します。
秋に登山シーズンを終え少々なまった体は、少し上りが続くだけですぐに息切れしてしまいます。
すっかり葉落してまったブナ林を歩きながら高度を稼ぎます。
尾根をトラバースしながら登っていって出た場所は、熊のコルと名付けられた尾根の鞍部です。
Long Holiday 2010 121

ここからさらに、落ち葉だらけの登山道を登っていきます。
枝だけになった木々の隙間から青空を見ながら歩いていきます。
この日一番の急登を歩ききったら、『三本のたるみ』と呼ばれる鞍部に到着です。
3方向の分岐点にもなるので、少し広くなった場所です。

2年前にこの山に登ったときにブログにも書きましたが、ここから先は扉を開けて山頂を目指します。
ニホンジカの食害により消失した植生の回復を図るため、鹿の侵入を防ぐネットを張っているので扉を開閉して先に進みます。

三本のたるみから左側へ向かい、山頂へ向かいました。
低木は空を覆うように枝を広げ、その中をくぐり抜けるように歩いていきます。
もう一度、扉を開閉すると目の前は山頂になります。

Long Holiday 2010 124
真っ青な空が広がる、三本杭の山頂です。
標高は1225.7mです。
三角点の向こう側に見えるのは、高月山です。

Long Holiday 2010 127
宇和海にぽっかり浮かぶ島々も望むことが出来ます。
標高が1000mを超える場所に立っているのに、海までの距離はそれほどないように感じます。

この日は土曜日だったので、私以外にも同じ景色を見ている登山者が何組もいました。
海が見える方向に座って、ランチタイムです。
この日はコンビニのおにぎり。
外で食べるご飯はとても美味しく、この景色が最高のトッピングだと思うのです。


三本杭山頂周辺のニホンジカによる食害で2000年頃からササなどが衰退し始め、2006年頃から本格的な植生回復事業に取り組み始めたそうです。
2008年12月の山頂の様子です。
三本杭 033

ミヤコザサを移植し、1年ほどたった頃と思われます。
あまりにも小さな移植株と広大な裸の大地に、しっかり根付き成長できるのかと思っていました。
サラサラで雨が降るたびに流されていってしまいそうな土壌ですが、それでも少しずつササは大きくなっていきます。

Long Holiday 2010 132
今回、同じ場所を写した画像があったのでアップします。
移植株は大きくなりコケが生え、山頂に少しずつ緑が戻ってきているのが分かります。
また今度ここに来れば、さらに緑が増えているはずです。
山の成長(回復)が来るたびに分かる、他の山では味わえない楽しみになります。

植生回復を心から願いながら、下り始めます。
帰りは横ノ森を経由し、桧尾根を下りました。
途中、シャクナゲの大木を掻き分けながら、落ち葉じゅうたんを蹴散らしながら、下ります。
御祝山を通り過ぎて急坂を下っていけば、何度か林道に出ては登山道を探し下っての繰り返しとなります。

渓谷の流れがかすかに聞こえてきて、だんだん近くなってくるのが分かります。
万年橋のたもとに下りてきてゴールです。
この日は、日光のサルにも負けず劣らず凶暴な滑床サルに出会いませんでした。
上高地のサルに慣れていても、さすがにここのサルと対峙したくないです。
よかった、よかった…。

帰る途中に、松野町のぽっぽ温泉で汗を流して帰りました。
登山と温泉、やっぱりセットがいいですね。



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