上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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白馬三山 1

梅雨が明けてから天気の雰囲気がガラッと変わり、本当に暑く、夏の雰囲気ムンムンの毎日です。
3連休が終わって夏休み本番の忙しさの前に、ほんの少し時間が出来ました。
すごく暑いけど、天気が比較的安定しているなら、やっぱり山に登らなきゃ…と思ってしまうのです。

ということで、今回選んだ場所は、白馬岳。
初めて行った時に少しバテた記憶があるので、少々トラウマが残りますが、花と山の魅力が自分の中で大きかったので行ってくることにしました。
2泊3日の行程、テント泊です。
相変わらず準備万端ということにはならず、当日の朝にかなり早起きをして荷造りしました。


【1日目】

前日に登山口近くまで行ってしまおうかと思ったのですが、荷造りがはかどらず当日の早朝に上高地から白馬村の猿倉まで移動することにしました。
2泊3日の行程だと1日5時間ほどの行動になり、とても余裕が出来ます。
それでも、駐車場に車が止められなくなったり夕立の心配があるので、なるべく早めに出発したいということが頭にあり、駐車場に着くまでは気分的には焦っていました(苦笑)

梅雨が明ける海の日あたりからが夏山シーズン本番ということで、猿倉の駐車場はかなり大入りでした。
なんとか空いている場所を見つけ車を止めます。
もう一度荷物をチェックして、登山靴を履き、車にしっかり鍵をかけたら、いよいよ出発です。

テントが入っている大きめのザックを背負うと、いつもちょっぴり緊張します。
気分がピリッと引き締まる感じ。
「よし、行くか」そんな気合の入った重さが、背中にあります。

猿倉荘では登山計画書を出すよう呼びかけています。
計画書を書きながら、気になっていたルートの状況確認をしました。
親切に教えてくれるので参考になります。

8時半に猿倉荘を出発し歩き始めました。
感じのいい登山道を歩くとすぐに林道に出ます。
そこからは林道をしばらく登ります。
眼下へ落ちる滝や駐車場を見下ろしながら、眩しい太陽と濃い緑に少々興奮気味に歩いていました。

…が、とにかく暑い。
今日の最高気温は松本で35℃を超えるって言ってたっけ。
太陽光線が痛く、照り返しも刺してくるような感覚です。
時計と腕の隙間から汗が流れ、指先まで伝ってポツリと落ちます。
こんなところから汗が吹き出てくるなんて、初めてのことです。

Mt.Shirouma July,2010 019
全身の水分がこうして全部出ていってしまうのではないかと、なんだか心配になりながらも歩いていきます。
白馬尻小屋に着いた時には1時間も歩いていないのに、すでに汗でグッタリです。
「これで登れるのかな…」まだまだ先は長いだけに、ここで止めたほうがいいんじゃないかと思うくらいでした。

それでも、豊富に流れ出る水で体を潤し休憩をして、気合を入れ直して歩き始めました。
ここ数日の温度の上昇により、雪解けが随分進んでいるようで、小屋の周りはニリンソウやキヌガサソウが咲いていました。
春に戻ったようでした。

Mt.Shirouma July,2010 028
小屋から少し上がったところで、雪が出てきます。
白馬大雪渓です。
あれほど暑かったのに、ここまで来るとひんやりとした風が上部から流れてきます。

長い長い雪道の始まりです。
左右には、迫ってきそうなくらいの近さで尾根と沢が波打つように形作っていて、沢の中を歩いていることが実感できます。
今にも落ちてくるんじゃないかと思う岩場だったり、キンポウゲが風に揺れている穏やかなお花畑だったり、山の優しさと厳しさを交互に見られる気がしました。

足を滑らせて余計な体力を失わないよう、バランスに気を遣って登っていきます。
途中、常駐隊の方とすれ違い、「少し登ったところにアイスバーンがあるから気をつけて」とアドバイスしていただきました。
その方はすれ違う人全員に声を掛けていらっしゃいました。

雪渓の影響で、上空の空気との温度差が大きく、目指す先は雲がもくもくと湧き上がっていました。
火照った体はすっかり冷やされ、1枚何か着たほうがいいんじゃないかと思うくらいの体感温度です。
けれど着ようかどうか悩んでいると、ふと吹いてくる風がやたら熱風のようだったりするので、結局そのまま登りました。

Mt.Shirouma July,2010 037
雪渓の表面には、気温と表面温度の差で出来たもやがふわっと綿のように層を作って漂っていました。
話し声はするけれど、人の姿は見えず…と思っていたら急に人がそのもやの中からぬぅっと出てきたりします。
自分の足元でもやが出来ると、ひと昔前の歌謡曲のステージ効果のようで、『ひとりオンステージ』だと笑ってしまいました。

大雪渓の中盤に差し掛かると、足元には頭より大きいくらいの石が点在するようになります。
『雪渓上にある石は全部落ちてきた石です 早く大雪渓を通過してください』
道しるべとなる紅ガラのそばにあった石のひとつに掛けられていた、看板に書かれた言葉。
落石のリアルさと危険さを示しているのがよく分かります。

けれど、早く登りきってしまいたい気持ちとは裏腹に、慣れない雪渓の歩きに体力を奪われ、この辺りから人々のペースはぐんと落ちてきます。
ペースを巻くことが出来ないならば、下がりがちな視線をもっと上げて、足が止まったときには周りを見渡すよう気を配らなければいけません。
実際、左右の沢の至るところから、小さな石が転がる音が頻繁に響いていました。
不気味…。
あまりいい感じがしなかったので、出来るだけペースを落とさないように一気に登りました。
この日は大雪渓で落石事故が起こり、懸命な救助活動もむなしく、ひとり亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈りします。

Mt.Shirouma July,2010 043
大雪渓の最上部は葱平(ねぶかっぴら)になります。
ここでアイゼンを外しゆっくり休憩が出来る場所です。
ザックを下ろし、しばらく休憩しました。
辺りを見渡すと空全体に雲が広がっていて、天気が心配です。

葱平からはかなり急な登り道です。
体力回復したと思っていたのに、なんだかペースが上がりません。
でもここからはいろんな花が咲いていたので、花を覗き込み写真を撮っては歩を進め、息が切れないようにごまかしながら歩きました。

小雪渓の手前で昼食の時間を取りました。
おにぎりでエネルギー補給です。
日が当たらず少し肌寒い中、おにぎりを半ば強引に口の中に押し込み、ひと息つきました。

きれいに切り取られた小雪渓を横切り避難小屋まで登ると、空が幾分明るくなってきました。
青空が時折顔を出し、日差しも時々届くようになりました。
避難小屋横を勢いよく流れるそばにもたくさんの花が咲いています。

Mt.Shirouma July,2010 100
お花畑に到着です。
目の前はガスと雲のミックスで、真っ白でした。
それが、時々スカッと晴れ渡るのです。
晴れた瞬間の景色は本当にきれいで、その場で一緒になった登山者の方と「ここまで頑張った、報われる瞬間ですよね」と笑顔で挨拶を交わしました。

Mt.Shirouma July,2010 104
空の青、雲と雪渓の白、草の緑にキンポウゲの黄色。
お花畑は、花真っ盛りでした。
黄色のミヤマキンポウゲやシナノキンバイ。
白色のオオカサモチやハクサンイチゲ。
色々な花が見渡す限りの緑の中に咲き誇っていました。

お花畑から先は、最後の急登。
空に続いていそうな登山道。
立ち止まっている人に道を譲ってもらって登りました。
あまり記憶に無いけれど(苦笑)、思い返してみると結構サクッと登ってしまったような気がします。

稜線よりほんの少しだけ下に位置する、白馬岳頂上宿舎にあるテント場が今日の寝床になります。
頂上宿舎で幕営の手続きを済ませてからテント場に行くと、すでに何張りかのテントが端のほうから出来上がっていました。
真ん中が空いていたので、あえて真ん中の程よいフラットな場所を選んで設営することにします。

Mt.Shirouma July,2010 136
今日のこだわりは、風向きなどよりも景色。
稜線へ続く登山道と斜面に広がるお花畑がテントの中からでも見えるように、入り口を決めました。
こんなに自由の利くテントって素晴らしい。

テントの中でお花畑を眺めながらゴロゴロしているうちに、心地よい疲労感と太陽のぬくもりでうとうと昼寝をしてしまいました。
随分たくさん寝た気がして一瞬寝坊したような錯覚に襲われ、ガバッと飛び起きるも、まだまだ夕方になろうとしている時間帯でした。
最高のお昼寝でした。

Mt.Shirouma July,2010 145
テント場から稜線へ出て、散歩をします。
雲はすっかり抜けていて、澄んだ青空と白馬岳がきれいに見えていました。
ゆっくりのんびり、展望の利く丸山まで歩きます。
登ってくる時はたくさんの人が居たのに、今はほとんど居なくて独占状態でした。
歌を歌うとなんだかうまくなったようで気持ちいい。

稜線にあるベンチに寝転んだりしながら景色をじっくり堪能したら、少し早いけれど夕飯を食べることにしました。
頂上宿舎で缶ビールを買ってテント場に戻り、お湯を沸かします。
今日の夕飯はアルファ米のドライカレーとスープ。
山での行動中は、なぜかエコな低燃費モードになります(苦笑)
ビールで乾杯して、いただきます。

今日の1日の終わりを見守ろうと、日没時間に合わせて再び丸山へ散歩に行きました。
太陽は傾き、西にそびえる清水岳【しょうずだけ】の向こうへ沈んでいこうとしていました。
さっき来た時よりも人が居ました。
太陽と反対側をみんなが見ているのでそちらを見てみると…。
Mt.Shirouma July,2010 167

大雪渓方面から湧き出た雲に、私たちの影が出来ていました。
ブロッケン現象です。
手を振ると、雲に写った私が手を振っていました。
影の私は、後光が射していて大きい。
山ならではの自然現象です。
この後、ブロッケン現象は雲が湧くたびに現れました。

Mt.Shirouma July,2010 184
明日歩く予定の杓子岳と、鑓ヶ岳を丸山から望む。
太陽と雲の織り成す夕暮れの姿は、壮大で美しかったです。
山を眺める人たちはみんな、ピンク色に染まった山と沈む夕日を交互に見ながら、息を潜めるように静かにたたずんでいました。

Mt.Shirouma July,2010 189
沈む太陽。
今日も1日が終わろうとしている。
当たり前のことで、毎日が過ぎていくけれど、これって本当はすごいことなんだと、山に来るたびに夕日を見るたびに思います。
太陽は高さによって様々な光を私たちに与えてくれます。
きれいな空のグラデーションに見とれていました。

そして「今日の日は さようなら~」とひと昔前の名曲が頭の中をよぎるのです。
明日のために、テントでゆっくり就寝です。



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