上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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白馬大雪渓BCスキー

すでに遠い昔のような、5月も中旬のことですが…(汗)
同じ長野県、同じ北アルプスと言っても、完全アウェーの白馬大雪渓にスキーを担いで登ってきました。

乗鞍岳の春山バスを利用して、一応勝手の分かっている斜面を滑れたらいいなぁと思いながら、次の休暇を楽しみにしていました。
ところが、例年より早い雪解けによって斜面は大きな溝が縦に走っていて滑りにくそうだという情報を得て、前日に行先が白馬に変更になってしまいました。

気楽な気分は一転、不安だらけ。
登れるかな。
滑れるかな。
落石…めっちゃ怖い(泣)

不安が大きすぎて「いっそのこと天気が悪けりゃいいのに」と正直思わなくもなかったのです。(相変わらずのネガティブ思考ですみません…)
ですが迎えた当日はここ数日の中でも一番天気が良く、「今日行かないでいつ行くよ?」と言い聞かせるしかない絶好のバックカントリー日和となったのでした。

今回この山行を企画し一緒に登ってくれたのは、パウダー大好きバックカントリー大好きのマスターです。
まずは板もブーツも背負って、猿倉から歩き始めます。

猿倉周辺は、まさに新緑の季節。
鮮やかで柔らかい新緑にそこら一帯が染まっていました。

まずは白馬尻を目指します。
雪が無いと思っていたのに歩き初めからほとんど雪が付いていて、つづら折りの道を直登したりしてショートカットすることが出来ました。
そして思ったより早くスキー登行に切り替えます。

スキー板を前に出すたびに、ビンディングのリズミカルな音が響きます。
滑って帰れるのか心配になるくらいの狭い木立を抜けると、やがて真っ白な雪渓が広がりました。
あれ?どこから大雪渓??

当然あると思っていた白馬尻小屋は影も形もありません。
雪崩の巣窟ゆえ、冬期は解体されてることを初めて知りました。
そう言えば、プレハブだったな…と思い出すものの結構大きい山小屋だったので、にわかに信じられず、何度も振り返っては真っ白な雪面を眺めていました。

ひたすら上を目指してスキーを前に進めます。
時々のんびりしたカッコウの鳴き声が谷間に響きます。

「あ、落石!」前を歩くマスターが突然声をあげました。
一瞬、緊張が走ります。
しかし私には落石の瞬間も雪の上を転がる石の音も分からず、きょろきょろと辺りを見渡しても鳥のさえずる穏やかな空間が広がって見えるだけでした。

しばらく無言で登って斜面を見上げると、右上部から茶色の筋が雪渓中央まで伸びているのが目に入りました。

P1020524.jpg
落石…と言うより、土も一緒に山の表面が崩れ落ちたように見えます。
さっきマスターが言った「落石」が同じものか分かりませんが、ついさっき発生したことは確かなようです。
その周辺には豆粒くらいの人影がいくつか見え、再び緊張が走ります。
巻き込まれた人って、まさか…居ないよね??

立ち止まって人々の動きを見ていたのですが、皆上を目指して歩いているようです。
「あぁ…よかった」安堵感が広がります。
ただ、やはりこの季節は落石が多いことを目の当たりにし、気分がズーンと落ち込んでしまいそうでした。

この落石の危険地帯をなんとか立ち止まらないで素早く通り過ぎようと努力します。
しかし息が上がり、シールも上手くかんでくれず、気分ばかり焦ってしまいました。

P1020528.jpg
なんとか無事に通過した後に見上げた斜面からは、大量の土砂と根ごと転がってきた倒木が流れて止まっていました。
そして流れからはみ出て至る所に散乱した大量の石。

この辺りから、拳サイズの石が雪の中に隠れて散らばっていました。
きっと斜面から転がっては雪の上に落ち、石の周りの雪が解けて沈んでしまい隠れているように見えるのでしょう。

P1020532.jpg
葱平を過ぎた辺りから斜度が出て、スキーで登るのは難しくなってきました。
板を背負い、キックステップで慎重に上を目指していきます。
今回の行先は、白馬岳ではなく杓子岳に行くことにしました。
夏道沿いではなく、小雪渓と呼ばれる沢を確実に登っていきます。

稜線の手前で雪が切れ、稜線の雪は全く無い状態でした。
雪の上で板を置きブーツからスニーカーに履き替えて、山頂を目指します。
軽くなった足回りが嬉しいものの、ガレ場の小石に足を取られて歩きにくく、山頂までが目の前にあるのに遠く思えました。

P1020548.jpg
杓子岳(2,812m)山頂に到着です。
なだらかに続く稜線の先には、白馬鑓ヶ岳が見えました。

P1020542.jpg
反対は、白馬岳。
先に板を担いで登った人たちがかなり急な斜面を颯爽と滑り降りていくのが見えました。

P1020552.jpg
まだまだ雪が残る山並みは、滑ったらとても気持ちよさそうに思えます。
気持ちに余裕があるせいかはわかりまんが…。

あのなめらかな斜面を滑っては登り、そして滑って。
いつかそれが出来たらいいなと思うほどの、きれいな景色でした。

P1020544.jpg
雪の残るなめらかな斜面の向こうに見えるのは、剱岳です。
ごつごつした急な岩肌はほとんど雪が残っていませんが、まだまだ人を寄せ付けないような凛としたたたずまいに見えました。

杓子岳の山頂は風が少しあったものの、それほど寒くなかったので、360度の景色を見ながらランチタイムにしました。
お腹が満たされると疲れていた体も元気になり、下ることにします。

稜線から少し下の、ハイマツ帯の下部から滑走開始です。
ドキドキ、バクバク…心臓に悪い瞬間がやってきました(苦笑)

そんな気持ちを知ってか知らずか、マスターはサラッと滑り始めました。
この瞬間が一番楽しみなので、待ちきれなくて当然なのですが…。

P1020570.jpg
ざくざくの雪をシュプールに変え、相変わらず狂いの無いきれいなターンを描いて行きます。
上から見ていたら、どんな場所でも滑りやすそうな斜面だと錯覚してしまうくらいの滑らかで積極的な滑りです。
眼下に広がる景色に吸い込まれていきそうなほど、一気に滑り下りていきました。

P1020588.jpg
杓子の山並みをバックに滑り降りるマスター。
とても気持ちよさそうです。
時間をかけて登った斜面は、一瞬で滑ってしまいました。

いざ、自分の滑走…だったのですが。
ビビり調子でなかなかターンできず、もったいない斜面の横滑り。
そうして、やっとの思いで最初のターンを決めてからは、なんとか緊張がほぐれてきました。

20150514hakuba2.jpg
ガチガチに緊張した感じが抜けていない滑りですが…。
ひとつひとつを丁寧に、体勢が崩れてしまわないようにだけ考えて滑りました。

全然楽しめてない感じもありますが、途中からは何とか周りを見渡す余裕も出てきました。
そして中腹まで下ってからは、小粒の落石との戦いでした。
避けても避けても隠れた石にヒットして、ガリガリとソールを削る音がします。
「これもまた経験値だから」と言い聞かすしかない、悲しい音でした(涙)

P1020649.jpg
大雪渓を滑りきり、白馬尻を過ぎて、林道まで戻ってきました。
行けるとこまでスキーで滑っていきますが、この辺りは新緑がとてもきれいでした。

滑るのがつらくなったところで、スキー板を背負って最後の下りを歩きます。
足が疲れているのが分かるくらい、よろよろしていました。

20150514hakuba3.jpg
猿倉荘の少し上の標高1250m辺りのブナ林は、ちょうど新緑真っ盛りでした。
柔らかな緑色が空を覆いつくし、生命力に満ちた空間が広がっていました。

こうして無事に終わった(スキー板は無傷ではすみませんでしたが)大雪渓バックカントリー。
少しまた経験値がアップしたかなと嬉しく思います。
今シーズンはこれで滑り納めだと思いながら、汚れた板とブーツをきれいにして片づけたのでした。



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