上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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実りの秋と食欲の秋

6月に真っ白な花を咲かせたズミ(別名:コナシ)の樹に、サクランボのような、けれどもっと小さな赤い実がたくさんつきました。
ズミはコリンゴとも呼ばれますが、小さなリンゴと呼ぶには小さすぎる実かもしれません。

Fall of full 004
真っ青な空に映える赤い実。
艶やかな実はとても美味しそうです。

そんな実を狙っているのは…冬支度に余念が無いサルたちです。
いつも食べているか毛づくろいをしているか、そんな姿ばかりさらけ出して、ぞろぞろとグループで大移動しているサルたち。
この日は、左岸の実を食べにやってきていました。

赤い果実を両手で懸命に頬張るサル。
口の周りは、変色した果樹で染まっています。

Karasawa 2011 Fall 009
「今年の実りはどんな感じ?美味しい??」そう声を掛けながら、木の下から見上げてみれば。
「あん?邪魔すんなよ」とドスのきいた心の声が聞こえてきそうな表情で睨まれてしまいました。
発情期なので顔も真っ赤になっていました。

Karasawa 2011 Fall 010
そんなコワ顔のサルが落とした木の実を食べているサルも。
体力消耗を避けていて賢いのか、それとも立場が弱いのか…。
ちょっぴり背中が寂しそう。
頑張れ!おサル!!


サルはほわほわの冬毛をまとい、冬に向けて日々お腹を満たしています。
これから迎える、厳しく静かな冬の上高地で生きていかなければなりません。
人を威嚇するサルは嫌いだけれど、冬の生活のことをを考えるとさすがに応援したい気持ちになります。



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笠ヶ岳山行 その3

朝食を食べてテントの中を片付け、テント撤収に取り掛かります。
日差しは優しく高くなってきていました。

いつも自分のペースで…と思う反面、隣のテントがすでになかったり、早く出発する人を見ると気持ちが焦ってしまいます。
手際よく、コンパクトに収納することを心掛け、片付けていきます。

テントはあっと言う間に片付いて、さっきまであったマイホームは姿を消してしまいました。
周辺に忘れ物が無いか確認し、出発です。
空にはきれいな模様の雲が浮かび、これから歩く道は細く長く続いていました。
昨日は全く見えなかった展望はとてもよく、ウキウキ気分で歩き始めます。
Mt.Kasa of Early fall 165

この日はずっと稜線を歩き、抜戸岳と弓折岳を経由して小池新道を下って新穂高温泉に戻ってくるルートを選択しました。
風は無く、昨日の暑さを感じた日差しは嘘のように穏やかです。
けれど決して寒くない。
一番動きやすい服装で歩くことが出来ました。

緩やかに下った稜線を、景色を見ながら気持ちよく歩いていきます。
振り返るたびにどんどん遠くなっていく笠ヶ岳。
「さようなら、きっとまた登りに来るからね」少々名残惜しい気持ちです。

登山道の両側で、チングルマが太陽を浴びてキラキラ輝いていました。
ふわっと放射線状に伸びた種子を覆う綿毛。
独特の形から目を離せません。
背中の重いザックを置いて、写真撮影です。

Mt.Kasa of Early fall 181
頭を下げて、かがみこんで…上手く撮ろうと頑張ってみました。
色々頑張ってみたものの、結局満足のいく写真になっていませんでした。
今後の課題が残ってしまったけれど、たくさんのチングルマに囲まれて幸せな気分に浸ることが出来ました。
また会いに来たい、この道を歩きたいと思うのはこんな時です。

Mt.Kasa of Early fall 182
チングルマに別れを告げ、再び稜線を歩きます。
振り返れば、笠ヶ岳が独特の形をして見送ってくれているようでした。
本当に頭にかぶる笠の形をして見えます。

昨日歩いてきた杓子平や笠新道へ続く分岐を通り過ぎ、まだまだ稜線歩きは続きます。
ハイマツに覆われた登山道。
斜面をトラバースするように気持ちよく歩いていきます。

ふと目線を上に移すと、人が立っている!
どこから登ったんだろう…と思っていると、小さな分岐がありました。
抜戸岳への分岐でした。

Mt.Kasa of Early fall 189
ザックを置いてカメラだけ持って軽くなった体で駆け上がります。
軽く踏み跡がついた岩とハイマツの急斜面を登ると、2,813mの山頂です。
槍が見えて、さっきまで居た笠が見えて、その向こうには雲と山のシルエットが連なって。
空に手が届きそうなくらいの開放感が味わえました。

Mt.Kasa of Early fall 204
抜戸岳を後にし、まだまだ続くハイマツの道。
本当に気持ちいい天空の道でした。
時々すれ違う人たちと「いい天気ですね」「お気を付けて」と挨拶と一緒にひと言交わしていきます。
笠ヶ岳で出会う登山者は、いつもマナーが良くてお互いが自然と譲り合って歩いています。
これもまた、山に来たくなる理由のひとつ。
いつもひとりで歩いてるけれど、人とのふとした繋がりにたくさんのことを学び感じています。

Mt.Kasa of Early fall 213
稜線歩きが続くと思っていたら、登山道は下り道になりました。
秩父平というおわん状の場所に入っていきます。
西鎌尾根が槍ヶ岳に向かってまるで背骨のように伸びた景色を眺めながら歩きます。
この時は、体力的にまだ余裕がありました。

Mt.Kasa of Early fall 217
秩父平を歩いていると、黄色い花がとても目を惹きました。
コガネギクです。
ミヤマアキノキリンソウとも呼ばれ、アキノキリンソウとは違うことを本で再確認しました。
秋を感じさせる可愛い花です。

Mt.Kasa of Early fall 229
こちらも秋の花で、秩父平から先の登山道沿いで見ることが出来ました。
オヤマリンドウです。
大きく開花しないのが特徴で、なんだか控えめな感じに見えました。
濃い青紫色が美しい花です。

ここから小さい山が目の前に続いています。
アップダウンを繰り返すたびに、だんだんとペースが落ちてきます。
さっきまで遠くに見えていたはずの弓折岳の分岐はどこ?
登りきった先に、下ってまた登る登山道が見えるとガックリきます。
精神的に辛くなってきて、こんなはずじゃなかったのにと、情けないことに足も止まりがちに。
とりあえず、50歩、20歩、10歩…振り返りながら少しでも進んでいることを確認し、足を前に出していきます。

そして、気が付けば大ノマ岳と弓折岳を登り、やっと分岐に着きました。
ここから先の登山道は去年歩いたことがあるので、時間などの予測が出来て安心します。
分岐の大きなベンチでひと休み。
ごろんと大の字に寝そべりたいくらい疲れていましたが、他に人が居たのでおしとやかに座って休憩しました(苦笑)

Mt.Kasa of Early fall 234
ここからは一気に下りになります。
池に囲まれた鏡平山荘がかなり遠くに見えますが、頑張って歩くことにします。

汗だくになって登っている人とすれ違いながら、ひたすら下ります。
山荘で新鮮な水をもらおうと思っていたのですが有料だったので、笠ヶ岳山荘で頂いた水で我慢します。
ちょうどお昼時で、山荘ではビールを飲みながら昼食を取っている人がたくさんいました。

山荘の少し先に池があり、テラスのように板張りになった場所があるのでそこでお昼にします。
真上にある太陽は朝のように穏やかではなく、チリチリと射すように痛く感じました。
日陰が無かったのは残念ですが、池に映った山を見ながらの昼食は最高の贅沢です。

Mt.Kasa of Early fall 245
お湯を沸かしてコーヒーを入れ、ゆっくり景色を楽しみました。
どんどん人が上がってきて、写真を撮っている姿を見るのも楽しい時間でした。

休憩をしてお腹を満たしたら、ずいぶんと元気になりました。
さてもうひと頑張り。
コースタイム4時間の下り道を歩くのみです。

下って下って…とにかく下って。
途中で、やっと水場が出てきました。
冷たい水が豊富に流れていました。
苔むした小川に手を入れると、その冷たさが電気のように全身に走りました。
Mt.Kasa of Early fall 250

ひと口ゴクリと飲んで水の美味しさを噛みしめます。
あとは思う存分ゴクゴクと喉が潤うまで水を飲みました。
こんなに干からびていたのかと思うくらいに水を飲んで、そして放心。
やっぱり水は大事だなぁと改めて思いました。

ここまで下りてくればもう少しです。
たっぷり潤った体で、再び下り始めました。
天気が良くてよかったなぁと色々と思い返したり、気持ちにも余裕が出てきました。

日が傾いて山の向こうに隠れつつある頃、小池新道を下り終えました。
そんな場所ですれ違ったパーティやカップルさん多数。
この先、鏡平まで小屋が無いですけれど、歩き始める時間がかなり遅くないですか?と心配になってしまいました。

新穂高温泉まで帰ったら路駐された車がたくさんありました。
3連休になったらどれだけの人がやって来るんだろうと思うものの、想像できず。
何はともあれ下山届を投函し、車に戻って新穂高を後にします。

温泉に浸かり汗を流し、どっぷりと倦怠感に包まれながら無事に上高地に戻ってきました。
そしてその日は、梓川のたもとのベンチでキムチ鍋パーティをしたっけ。
なかなかハードなスケジュールでしたが、疲れた分だけ満足度も高い2日間になりました。



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笠ヶ岳山行 その2

前日は18時くらいには眠りについてしまっていたため、ぐっすり眠ったつもりで目が覚めたのは日付が変わってすぐのことでした。
テントの外は明るく、風がバサバサとテントに当たっていました。

テントから顔を出してみると、夕方は真っ白だった空は雲が切れ、少し欠けた月が高い位置にありました。
明るく輝く月の周りには、リングが出来ていました。
『月に傘がかかると天気が崩れる』とよく言いますが…、下山するまで天気がもって欲しいと願わずにはいられませんでした。

思ったほど寒くなかったので、カメラを持って靴を履いて外に出てみます。
風が少し強めで、涙が出てきそうでした。

ぐるっと360度遮るものはなく、月明かりに負けないくらいの星がキラキラと瞬いていました。
この星空が見たくて、笠ヶ岳を選んだのも理由のひとつでした。

程よくフラットになっている岩の上にカメラを置き、写真を撮ってみました。
一眼レフはなんとか持ってこられたものの、さすがに三脚は重たすぎたので…。

Various of Mt. 2011 by Kiss 062
夜中になってやっと見られた、目の前にそびえる笠ヶ岳山頂。
肉眼では見えなかった薄い雲が、カーテンのように空に模様を作って写っていました。
カメラを置いた岩が見事に写ってしまっているけれど、お気に入りの1枚になりました。

笠ヶ岳の反対側になる東の方角には、穂高と槍の輪郭がはっきりと見えていました。
こっちはどんな風に撮れるんだろう…グラグラと不安定な石の上になんとかカメラを置いて、シャッターを数秒開放してみます。

Various of Mt. 2011 by Kiss 069
こちらも肉眼では見えなかった薄い雲が空に広がっていました。
北穂に掛かるうっすらとオレンジ色に染まった空も肉眼では分からなかったものです。
キレットのすぐ上にオリオン座が昇り始めていました。

その後何枚か写真を撮って、テントに戻りました。
シュラフにもぐりこみ、手と足をこすり合わせて暖を取ります。
そうこうしているうちに再び眠りについてしまっていました。

目が覚めたら、外はずいぶん明るくなっていました。
日の出までもう少し。
山頂で日の出を迎えようと、慌てて準備をして出発です。

Various of Mt. 2011 by Kiss 078
夜中に撮った場所から再び夜明け前の笠ヶ岳と山荘を1枚。
西へ傾きかけた月が、まだ少し優勢に光を放っている様子が良く分かりました。
実際はもっと暗い空間が、こんなにも優しい月明かりの青色で映し出されました。

山荘に行って、まずはトイレに直行です。
笠ヶ岳はとてもいい場所なのですが、テント場からトイレまでが少々遠いことがマイナス点です。
テントを張る前は気にならなかったのですが、張った後はテント内にアンモニア臭が時々漂ってきました。
テント場周辺に生えているハイマツの陰で用を足す人が多いのかなと思いました。
どうにか改善されれば、もっともっと素敵な場所になるのに…。

すっきりして山荘から出ると、東の空はずいぶんと明るくなってきていました。
刻々と変わる空の色に、立ち止まっては写真を撮りました。

Various of Mt. 2011 by Kiss 082
雄大な稜線のシルエットと、空のグラデーション。
どうしてこんな色合いが出来上がるんだろう。
自然のすごさと美しさを何度でも実感させられます。
テントを担いで登ってきてよかった~!!と思う瞬間でもあります。

Mt.Kasa of Early fall 126
笠ヶ岳山頂では、同じように日の出を見に来ている人が何人もいました。
日の出の時間が迫り、稜線もほんのりピンク色に染まっていました。
雲海と遠くに富士山も望むことが出来ました。

山頂で360度グルグルと写真を撮りながら、太陽が顔を出すのを待ちます。
座ったり立ったり、何度も同じ方角にカメラを向けたり…そわそわと落ち着くことが出来ませんでした(苦笑)

Various of Mt. 2011 by Kiss 085
オレンジ、ピンク、水色…なんとも上手く言葉にならない美しい空の色。
優しい優しい色をしています。
山肌もだんだんと見えるようになりました。

Mt.Kasa of Early fall 139
笠ヶ岳の三角点です。
2897mの山頂は、びっくりするほどシンプルなてっぺんでした。
『笠ヶ岳』と書かれた板を手に持って記念撮影出来るようになっています。
私はひとりなので、置いてある状態をそのまま撮っただけでした。

Various of Mt. 2011 by Kiss 088
山頂から眺める南の方角には、乗鞍岳と御嶽山が美しいラインを描いてそびえていました。
眼下は雲に覆われ、より幻想的な朝の空間を作っています。

Mt.Kasa of Early fall 143
5時48分。
眩しい光が槍穂の稜線からこぼれ、溢れてきました。
穏やかで美しい、1日の始まりです。

Mt.Kasa of Early fall 145
雲ひとつない空もいいけれど、こんな雲が作り出す空の表情は大歓迎です。
大きな大きなキャンバスに描かれた、このとき限りの儚い作品。
とてもきれいな空でした。

太陽が昇って空が真っ青に変わろうとしているのを確認し、山頂を後にします。
2日目もたくさん歩かなければならないので、あまりゆっくりはしていられないのです。

Mt.Kasa of Early fall 152
笠ヶ岳山荘まで戻ってくると、山荘が朝日を浴びていました。
窓には枕が山積みになって、日光浴中でした。

Mt.Kasa of Early fall 157
すっかり顔を出した太陽は、暖かく照らしてくれます。
マイホームもピカピカ照り輝いていました。
ほっとする暖かさが気持ちいい。

テントに戻り、朝食を準備します。
早々に山荘を後にした人たちがテントの横を通り過ぎていきますが、焦らずゆっくりお湯を沸かします。
地図を見ながら朝ごはんです。
今日はこれからどんな景色に出会えるのか…楽しみです。



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笠ヶ岳山行 その1

山からからどんどん下りてくる秋の気配を感じ、少しでも多く山へ登ろうと、休みの日が天気になることばかりを願っていた9月。
幸い天気は安定していて、久しぶりにテントを担いで山に登ることができました。

1泊2日の山行に選んだ場所は、笠ヶ岳。
上高地から登る山々の頂に立って岐阜県側を眺めると、必ず目にすることの出来る、雄大で美しい姿をした山です。
5年ほど前にやはりテントを背負って登ったことがあるのですが、しんどくバテバテの登りだった場所でもあります。
なぜ、再びそのしんどい登山道を選んでしまったのか…。


天気に恵まれた、9月の3連休前の平日。
早朝に上高地を出て、新穂高温泉を目指しました。
平日なのに新穂高温泉の無料駐車場は空きがなく、ひとつだけ見つけたスペースに駐車することが出来てほっとひと安心しました。
これだけ車がいっぱい止まっているのは初めてで、これから山を目指そうとしている人の姿がたくさんあり、少々困惑しそうになりました。

3連休が月に2回ある効果ってすごいんだなぁと改めて思いました。
サービス業に携わっている自分は、週末はもちろんのこと連休も働くことになります。
遊ぶ計画を立てることなく、ただ仕事をこなすことに夢中で過ぎてしまうのが連休です(苦笑)

準備を整え車に鍵をかけ、登山届を岐阜県警の詰め所のポストに投函し、出発です。
新穂高温泉から林道を歩いて、まずは分岐まで歩きます。
この日は連休前の荷揚げの日で、登山道脇にあるヘリポートから何度も荷揚げが繰り返されていました。

去年は枯れていましたが、今年はちゃんと笠ヶ岳の分岐横に水が流れ出ていました。
分岐から先は、笠ヶ岳山荘(今日のゴール)まで水場がありません。
水場でしっかりと喉を潤し、たぶん足りるだろうと予測した最低限の水を汲んでザックの両側のポケットに突っ込みます。
テントと食料と水と…パンパンに詰まったザックはかなりの重さになりました。
一眼レフカメラを持っていくかどうか散々悩んで、結局首から斜め掛けにして持っていくことにしました。

バテてしまわないように。

それだけを願いながら、分岐から笠ヶ岳への登りの一歩を踏み出します。
笠新道と呼ばれるこの登山道は、長く険しい登りになります。
しかし、途中まではブナやナラの大樹が生い茂った、原生林の中を気持ちよく歩いていくことが出来ます。

Mt.Kasa of Early fall 012
時々出てくる案内板。
標高と特徴を教えてくれます。
今回は、デジカメで記録として撮りながら登っていきました。

Mt.Kasa of Early fall 020
日差しを優しくさえぎってくれる、緑いっぱいの森の中。
鳥のさえずりと、葉の濃い緑色にずいぶんと癒されました。

Mt.Kasa of Early fall 021
優しい色をした実がとても印象的だったスイカズラの仲間のミヤマシグレ。
登山道脇でたくさん見ることが出来ました。

Mt.Kasa of Early fall 027
もう花の季節は終わったと思っていたのに、花が咲いていました。
少し遅くまで咲いていたのは、ヤマアジサイです。
木漏れ日の効果で、ほとんど咲き終わりだったのに、とても美しく見えました。

標高が1900mを過ぎると、頭の上を覆っていた大樹はいつしか姿を消し、だんだんと眩しい炎天下が続くようになってきました。
気持ちのいい日差しを浴びて…と言いたいところですが、9月後半とは思えないくらい暑く、汗がだらだらと出てきます。
バテてしまうかも…心配が一緒についてまわります。

Mt.Kasa of Early fall 035
登れば登るほどしんどいけれど、その分景色も良くなってきます。
目の前(ちょっと上目)には、槍・穂高の稜線が。
いつもは反対側から眺める見慣れた山並を、今日は逆から見ています。
それでも、槍ヶ岳と大きくくぼんだ大キレット…と特徴が分かっていれば、どの山かもきちんと分かります。

暑すぎるあまりバテるのが心配で、小さな木立を見つけるたびにその木陰で小休止しました。
水はちびちびと飲み、お昼ごはんに持ってきたおにぎりをタイミングよく食べて、細心の注意を払います。

ハードな笠新道を登りきると、そこは杓子平。
今までとは全く違う景色が目の前に広がります。

Various of Mt. 2011 by Kiss 056
広大に広がる笠ヶ岳からの裾野。
空にはもくもくと雲が湧いて、これから目指す笠ヶ岳の山頂はすでに雲が掛かり始めていました。
あの山頂までどこをどう歩いていくのだろう…戸惑ってしまいそうなくらいのダイナミックな景色です。

Mt.Kasa of Early fall 047
山を覆った緑は少しずつ秋の装いを始めていました。
そしてそんな山肌には雲の影が写っています。
途方に暮れそうな、それでもやっぱりつらくて楽しいだろう山歩きは続きます。

杓子平に出てからはしばらくおわんの中をぐるっと歩いて、再び登りになりました。
これを登りきれば、さっき見渡した稜線へたどり着きます。

水を飲みたいだけ飲むことが出来なかったので、その代わりにちょっと手を伸ばしたもの。
それは、登山道途中にたくさんなっていた木の実たちでした。
艶やかに熟した真っ赤なベニバナイチゴは、とても渋くて苦くて口の中が種だらけになってしまいました。

Mt.Kasa of Early fall 067
クロマメノキは、甘さ控えめで少し渋いけれど、けっこう美味しく頂きました。
エネルギーと水分補給に…役立ててしまいました(苦笑)

今回、笠ヶ岳にした理由のひとつに、「チングルマが綿毛をまとった種子になって群生しているのを見たかったから」というのがありました。
風になびきながら広がるチングルマ。
この姿が見たかったのです。
Various of Mt. 2011 by Kiss 059

夏は夏で、花が満開になればすごくきれいなお花畑が広がっていそうですが、夏にこのルートを歩くのはハードすぎて自信がありません。
このチングルマのふわふわ綿毛に出会いたかった…。
ザックをおろして、地面にははうようにして写真を撮りました。

チングルマを眺め撮りながら、ゆっくりと稜線まで歩きました。
思ったほどバテることなく、焦ることなく歩けて、ひと安心です。
そしてここから1時間ほど稜線を歩いていきます。

Mt.Kasa of Early fall 104
笠ヶ岳へは、ハイマツに囲まれた緩やかな稜線歩きです。
雲がさらに多くなっていましたが雨を降らせる雰囲気はなく、ちょっと景色が見えない他は気持ちのいい空間でした。

Mt.Kasa of Early fall 099
濃い緑色のハイマツに混じって、少しずつ色が変わっている植物たちにも出会いました。
少し黒さを帯びて赤く色づいたウラシマツツジ。
芽が出たての野菜の苗が紅葉したみたいにも見えてきます。

自分の周りを雲が取り巻いていきます。
空がとても近く感じられます。
今回はこの稜線が気持ちよく歩けました。
真っ白な雲に隠れた笠ヶ岳山荘まではもうすぐです。

Mt.Kasa of Early fall 109
笠新道を歩いていたときに後ろにそびえていた、穂高の山々は雲に隠れてしまいました。
出発地点の新穂高温泉はとても小さく見えます。
笠ヶ岳の周辺では、夏以降は午後に雲が湧きやすく、生まれた雲は笠ヶ岳に集まってくるのだそうです。
夕方は山荘周辺は真っ白になって何も見えず、夜にようやく雲が切れると小屋の方に教えていただきました。

この日も、やっぱり雲の中。
やっと着いた山荘下のテント場でテントを張り、すっかり空になった水筒を持って山荘まで行きました。
トイレと水場は徒歩5分(登り)の山荘にあります。

受付を済ませ、水を頂いて、再びテントに戻ります。
ビールとどちらを買うか散々迷って、缶チューハイを買いました。
冷蔵庫でしっかりと冷やしてあって、嬉しかったです。(天然クーラーという名の常温だと思っていました)

あたりは真っ白で、夕焼けは期待できそうもありません。
少し早いけれど夕飯を作って食べることにしました。

Mt.Kasa of Early fall 120
メニューは、お湯で5分煮込むだけで出来るパスタとスープ、そしてじゃがりこの限定ポン酢味。
それにチューハイが加わって、立派な山ディナーの完成です。
今日の山歩きに乾杯!

しっかり食べて大満足です。
外はやっぱり雲の中。
暗くなるまでゴロゴロ寝袋の中で転がりながら本を読み、日暮れと同時に就寝です。
疲れているので、眠りにつくまであっと言う間でした。

明日も晴れますように…。



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カラマツ一色

上高地のカラマツが見頃になりました。
今年の色づきは濃いめ。
明るいキラキラしたカラマツではないけれど、マスタードカラーがちょっぴりシックで落ち着いた雰囲気です。
Kraft and so on 081

雨が降れば申し合わせたかのように、一斉に落葉が始まります。
針のような細かい葉が、くるくると回転しながら舞い落ちてきます。
みんなの肩に頭に、はらりとくっついていました。
いよいよ晩秋の上高地です。


けれど今日の松本の予想最高気温は24℃。
10月ももう後半なのに、こんなに気温が高くていいのかな…。
半袖の服で過ごせそうな気温です。
季節はきちんと変わっているようなのに、変わっていないようでなんだか心配になってきます。


Kraft and so on 033
青空にモコモコふんわり秋の雲。
穏やかな秋の1日の始まり。
川原の水たまりに映った焼岳とカラマツがとてもきれいで、思わず写真を撮ってしまいました。



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落ち葉ロード

前線の影響で雨が降った日、雨だけではなく風も一緒に上高地にやってきました。
ザワザワ、ざわざわ…。
大きな木は枝をしならせていました。
枝が大きく揺れるたび、葉は枝を離れ散っていきます。

Fall 2011 045
足元には、落ちたばかりの葉っぱたちが上手に広がり散っていて、黄色い模様が出来上がっていました。
雨風の日に外出するのはおっくうだけれど、こんな道を独り占めに出来るなら、それはそれで嬉しかったりします。

Fall 2011 046
黄色いトンネルに黄色い道。
とても素敵な空間です。
傘を差して歩いているお客さんも同じように感じているのか、なんだか嬉しそうに見えました。

上高地はすっかり秋色になりました。
ここ数日は天気が良く、気持ちのいい秋のお散歩日和が続いています。



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涸沢から奥穂高岳へ その3

2日目の続き。

穂高岳山荘で軽く休憩した後、いよいよ今シーズン初の稜線歩きの始まりです。
この日は気温も上がって、薄着でも大丈夫!…かと思っていたのですが、やはり稜線は空気がひんやりとして少し寒く感じました。
天気が良かったので、朝はかなり冷え込んだようです。
その冷気がまだまだ残っている感じでした。

山荘横からすぐに始まる垂直に立てかけられたハシゴ。
上からの人が降りて、空いたタイミングを見計らって登ることにしました。

Early fall 075
山荘の横には風車。
飛騨側から吹く強風を利用した自家発電装置です。
そして笠ヶ岳が大きくそびえていました。

ハシゴを掴んで、いざ登り始めます。
日陰にある鉄製のハシゴはキンキンに冷えていて、凍ってはいなかったものの、かなり刺激的でした。
手がかじかまないように、滑らないように…気合充分で登りきります。
下ってくる人とは上手く譲り合うことが出来、ほっとひと安心です。

Early fall 078
ハシゴを登りきれば高度が一気に増して、景色がガラッと変わります。
あっと言う間に小さくなった穂高岳山荘は、赤い屋根を見下ろすことが出来ました。
登山道が続く先には、涸沢岳。
そして涸沢岳の右側には、小さく見え始めた槍ヶ岳がありました。

標高は3000mに近いため、ペースを上げすぎるとすぐに息が上がってしまいます。
ゆっくり歩いては、変わっていく景色を楽しみます。
少しずつ槍が全貌を現し、目線より下に山々が連なっていきます。
大きく息を吸い、景色を見渡して、歩を進めていけば…。

目の前には、小さなお社が見えてきました。
奥穂高岳の山頂です。
この春上映された、映画『岳』のオープニングでも雪の残るこの場所に三歩が立っていたっけ。
あのシーンが蘇ってきました。
Early fall 087

この日は本当に穏やかな天気に恵まれ、山頂では少しゆっくりと時間を過ごすことが出来ました。
同僚のSちゃんが双眼鏡とデジカメを使って、ふもとの上高地から奥穂を撮影していて、山頂に立っている自分を後日確認することも出来ました(笑)

山頂からの360度の大パノラマを紹介します。

Various of Mt. 2011 by Kiss 038
奥穂から南を見た景色です。
生活をし働いている上高地を見下ろすことが出来ます。
一番手前の白く見えるのは岳沢で、その先に横に蛇行しているのが梓川です。
中央部分の緑いっぱいの山は霞沢岳、向かい合っている茶色い山は焼岳です。
さらに奥には乗鞍岳の山並み少し雲が掛かった御嶽山、中央アルプスまで見ることが出来ます。

Various of Mt. 2011 by Kiss 039
東…正しくは南東方向を見てみましょう。
ゴツゴツとした石たちで出来上がったような、山の厳しさを示しているかのような稜線が連なっています。
中央に写る反った(凹んだ)部分が、これから歩く吊尾根です。
吊尾根の先には、前穂高岳の頂が見えます。
前穂の頂から左側に、北尾根と呼ばれる涸沢から見上げることが出来るハードな山が連なります。
頂の右側は明神岳に続きます。

Various of Mt. 2011 by Kiss 047
奥穂から北側の方向です。
山肌が大きく切れ落ちた、ダイナミックな景色です。
涸沢岳、北穂高岳、槍ヶ岳と険しい稜線が直線状に連なって見えます。
そしていつか歩いてみたい、鷲羽岳や水晶岳などの北アルプス北部の山々が秋色になって見えていました。
写真では文章では伝えきれない、自然のすごさや感動がたくさんありました。

Various of Mt. 2011 by Kiss 049
そして北を見れば、目の前にそびえる要塞。
ジャンダルムです。
本当はこの山頂に登りたかったのですが、時間がなかったので今回も見ているだけで終わってしまいました。
後ろから来た人たちはそっちに歩いていきましたが、またの機会に。
北側の登山道は、難易度が高くバリエーションルートになります。
遠くに見える生まれたばかりの雲たちに、とても癒されました。

さて、山頂から一気に下りが始まります。
これまで吊尾根は2回歩いたことがありますが、いずれも逆方向の前穂からでした。
あれ?こんなに下ってたっけ??
上りと下りが逆になれば、全然感覚が違ってきます。
Early fall 101

穏やかな天気の下、鎖場を慎重にクリアし、上高地を眼下にアップダウンを緩やかに繰り返しながら歩いていきます。
途中、遠くに見える雲が象さんに見えてひとりで笑ってしまったり、朝出発した涸沢を見下ろして写真を収めたりしました。
ずっと山肌をトラバースしている状態なので、時々崖っぷちのような感覚はありますが、とにかくしんどいけれど気持ちがよかったです。

Early fall 117
そしてほぼコースタイムどおりに、紀美子平に到着です。
今シーズンずっと合わない登山靴を調整しながら使っているので、やっぱり足が痛くなってきています。
とにかく下って早く靴を脱いでしまいたい…。
前穂は登らず、引き続き下ります。

Early fall 118
次に目指す場所は、岳沢です。
あぁ…あんなに小さく見える。
(画像左側下部に緑の乗った岩がありますが、そのちょっと右にある赤い建物です)
下りの道のりはまだまだ長く険しいです。

紀美子平から下りの途中には急斜面が多いながらも、『雷鳥広場』や『カモシカの立場』といった生き物の名前のついた座って休める場所があります。
ネーミングが可愛いですよね。
ただそこから眺める景色は最高で、かつ絶壁だったりするんですけどね(笑)
自分が雷鳥だったら飛んで岳沢まで降りちゃいたい、急な下りの連続です。

Early fall 124
登山道の途中には、紅葉した草や秋の花が見られました。
今が実り真っ只中の、コケモモ。
肉厚のコーヒー豆のような濃い緑の葉っぱと真っ赤に熟れた実がとても可愛いです。

ハシゴを下り、岩場を下り、下り下って、やっと岳沢に到着です。
もう、もう…一刻も早く靴を脱ぎたい、座りたい。
つま先があたってあたって限界です(大泣)

Early fall 128
去年『岳沢小屋』として新しく建てられた小屋は、とてもきれいでした。
プレハブ使用で秋に営業が終わると解体されます。
深い雪の中で、解体された材は眠りにつき、春が来ると再び組み立てられるのです。
新しくなったトイレは土足禁止だったので、紐を緩め靴を脱いでしまいました。

日陰で座って、しばらく放心…。
もう動きたくない。
そんな思いで落ち着くまでへたり込んでいました。

しかし、夕方からは仕事が待っています。
ここで止まってしまうわけにはいかず、再び靴を履いて最後の下りに挑みます。
小屋で新鮮な水をいただいて喉を潤し、歩き始めました。

ゆっくり歩いても痛いなら、早く下って靴を脱いでしまったほうがいい。
そう思ってからは、だらだら歩いていたのが一変し、いつもの歩調に戻ることが出来ました。
岳沢から上高地の登山道口までは歩きやすい登山道だったこともあって、かなりスムーズに下山出来ました。

こうして慌しくもありましたが、登って下ってくることが出来ました。
天気が良くてよかった。
景色が良くてよかった。
足は痛くなったし、息は切れて途中しんどかったけれど、やっぱりまた山に登ってしまうんだろうな。
早く足を治して次の山を目指したいと、帰った次の日には地図を広げて山計画を練っていました。



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黄葉真っ只中

上高地の樹木もここ数日で、一気に色づいてきました。
1日、いや半日過ぎただけでも、色の変化が分かることがあります。

朝晩の冷え込みが厳しくなって、落ち葉もずいぶん増えてきました。
ガサガサと音を鳴らしながら、落ち葉のじゅうたんを歩くのが楽しい秋の昼下がりです。

Full fall! 002
上高地の秋といえば、カラマツの黄葉です。
カラマツの葉も緑から黄色に変わってきました。
キラキラしたカラマツロードを歩いていると、ついつい空を見上げてしまいます。
下から見上げるカラマツは、青空に映えてとてもきれいです。

今年のカラマツを始め黄葉する樹木の傾向は、『黄色』というより『オレンジ色』をしています。
ちょっぴり濃い色に出ているので、バスターミナルに到着しバスを降りると、どっぷりと秋色に浸かれること間違いなしです。

Full fall! 015
黄色というよりは、ちょっぴり色素が抜けてしまったように見える樹木もあります。
けれどそんな樹が西日を浴びれば、他のどの樹よりピカピカに輝く黄金の樹に変身します。

暖かい服を着て歩けば、まだまだ外でまったりと過ごすことが出来ます。
美味しいお茶とおやつを持って、外カフェをするのがお勧めの季節です。



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涸沢から奥穂高岳へ その2

2日目。
予想通り、とてもいい天気になりました。
朝食をお客さんと一緒に頂いて、出発の準備をします。

屏風岩の向こう側から日が昇り、涸沢カール全体が明るくなった6時半頃、出発しました。
小屋のみんなは朝食中で、お茶碗を持ったまま見送ってくれました(笑)
お邪魔しました。
ありがとうございました。

冬期小屋の横から登山道を登っていきます。
すぐに木立の中に入り、一気に登りになります。

Early fall 039
真っ赤な実を付けた、ナナカマドの森が出来上がっていました。
みずみずしい濃い緑色の葉は、これから迎える秋そして冬のために、今は水をたくさん蓄えているところでしょうか。
葉を触っては「真っ赤に色づきますように…」とお願いしてみたけれど、こればかりはこれから先の天気などの条件次第です。

Early fall 040
登山道の途中で見つけたのは、クロマメノキ。
別名、山のブルーベリー。
ちょっぴり苦くて、でも美味しい黒い実がたわわに生っていました。
秋になると葉は赤く色づきます。

Early fall 042
小屋からひと登りすると視野が開け、少し稜線に近づいた景色が広がっています。
足元にはゴロゴロした岩と、稜線には鋭く尖った涸沢槍。
背骨のように盛り上がったザイテングラートが歩く先に待っています。
そして、斜面は黄金色に色づいた草紅葉。(草黄葉…のほうがいい表現かも)

もう、秋がすぐそこまでやってきているのが分かります。
太陽が高くなると共に気温はぐんぐん上昇し、薄着で歩いていてもじんわり汗ばんでくる残暑も、しっかり隣に同居していました。

Early fall 043
草紅葉にはちょっと早かったかな…。
夏に白くて可憐な花を咲かせたチングルマは、種子をつけて可愛い姿に変わっていました。

ザイテングラートに続く斜面をトラバースするように登っていきます。
細かいガレ場に足を取られないように気をつけて歩きます。
黄金色に色づいた岩肌が近くなっていきます。

Early fall 053
その黄金色の正体は…オンタデなどのタデ科の植物たち。
夏の間は山の斜面を緑に染め、秋になると黄金色に染め替えてくれるのです。
近くで見てしまうとちょっと意外な印象を受けますが、遠くから見る山に無くてはならない名脇役かもしれません。

ザイテングラートはゴツゴツした岩場の連続になります。
両手を使って登っていきます。
石を落とさないよう、上からの落石に気を付け、かつ浮石にも注意しながら、集中力を切らさないよう進んでいきました。

Early fall 061
降りてくる人、先に行く人、抜かせてもらう人…譲り合いながら、声を掛けながら歩きます。
時間と気持ちにゆとりを持つことを忘れずに。
焦りは禁物です。

Various of Mt. 2011 by Kiss 034
ザイテングラートのハードな登りも終わりに差し掛かり、少し広い場所に着いたので一眼レフをザックから出して撮影してみました。
下から見上げると水平に近く見える吊尾根は、かなり反って見えます。
正面には前穂高岳山頂の1峰から6峰までが険しく美しく並んでいました。

Various of Mt. 2011 by Kiss 036
見下ろせば、雪渓があんなに下に残っていて、ヒュッテと小屋の赤い屋根が小さく見えました。
常念岳と蝶ヶ岳はまだまだ深い緑色の山でした。

Early fall 067
岩ばかりの険しい道のりの途中にも、健気に強く生きている植物たちに出会うことが出来ました。
薄い紫色の小さな花はイワギキョウです。
風に揺れながら花を開いている姿からは、たくさんの勇気と力をもらえる気がします。

Early fall 070
見上げればすぐそこに穂高岳山荘が。
ただ息の上がった体には、ここからがしんどいのです。
先の歩く人たちも少し歩いては立ち止まって、大きなため息をつきながら空を仰いでいました。

Early fall 072
そして稜線へ。
穂高岳山荘に到着です。
山荘のスタッフが布団上げをしたり、お客さんを見送ったり、外仕事をしたりしている姿が見えました。
少し休憩して、ここから奥穂高岳を目指します。



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涸沢から奥穂高岳へ その1

まだまだ緑いっぱいの、夏から秋に向かって移行する頃、午後からお休みをもらって1泊で涸沢から稜線を歩いてきました。

Early fall 018
9月の3連休前の、少し静かな登山道。
午後の日差しをいっぱい浴びた森の中は、寒くもなく暑くもなく、歩いていてちょうどいい。
ただ上高地の出発時間が午後なので、ゆっくり歩いているわけにはいかず、歩幅を大きく開いて少し早歩きで横尾を目指します。

Early fall 022
横尾大橋のたもとにある、カツラの樹。
濃い緑色の葉をいっぱいに付けていました。
もう少ししたら、鮮やかな黄色になって、甘い香りが漂ってきてくれるはず…そう思いながら、緑のカツラをカメラに収めました。

この日は日曜日だったので、山から下ってくる人がとても多く、たくさんの人とすれ違いました。
ガイドの知人や元小屋番仲間ともすれ違って、思わず立ち話。
その後、すっかり遅くなった道の途中で、下ってきた人に「今から登るの!?」と驚かれてしまいました。
遅い時間ですみません…そう思いながら、なるべくスイスイと最速スピードで登っていきます。
今シーズンは、あまりにも遅い到着の登山者が多いらしく、横尾では14時以降の涸沢方面の入山自粛を要請した張り紙がありました。

なるべく早く歩く努力はするものの、やっぱり途中で出会った植物たちを見過ごすわけにはいきません。

Early fall 023
樹木の切り株のオブジェ。
コケとゴゼンタチバナの見事なコラボレーションです。
ゴゼンタチバナの赤く色づいた実がとてもかわいい。
クリスマスカラーで、ぐっと冬が近づいてきた気分になりました。

Early fall 026
時折空を見上げれば、秋模様。
色んな模様の雲が、夕暮れ近い澄んだ空に映えていました。
登山道まで屏風岩の大きさやひんやりとした岩の冷たさが伝わってきそうです。
日が暮れるのはもうすぐ。
先を急ぎます。

花の季節はすっかり終わって、登山道も枯れた草が目立つようになってきました。
そんな中に彩りを添えてくれるのは、夏に花を咲かせ、やがて熟した実や種子たちです。

Early fall 030
赤い実が割れ、オレンジ色をした種子が顔を出していました。
ツリバナという名の樹木です。
秋らしいカラーの実が本当にかわいく、このカラーリングは色々と参考にしたいと思いました。

Early fall 033
ツインの艶やかな赤い実が印象的なのは、オオヒョウタンボクです。
夏には真っ白いツインの花を咲かせていたっけ。
葉の真ん中から花柄を出しているのがよく見ると分かります。
ひとつつまんで食べてみましたが、ほんのり甘いもののちょっぴり何かもの足りない味でした(苦笑)

この日の宿泊先は、以前働いていた涸沢小屋です。
お手伝いに上がっていたガイドのYさんに温かく迎えていただいて、部屋へ入ります。
冷える前に着替えてフリースを着こんで、再び外へ。

Early fall 036
ちょうど夕飯前の涸沢小屋です。
北尾根に夕日が当たり、幻想的な景色でした。
秋らしい岩肌がきれいでした。

Various of Mt. 2011 by Kiss 016
この日は、十五夜の前日だったので限りなく満月に近い月を見ることが出来ました。
月明かりがあるので、少しシャッターを開けているだけで、びっくりするくらい明るい画像が撮れます。
しかし雲が絶え間なく流れ、月を隠してしまいます。

ふと夜中に目が覚めて外を見ると、雲が切れて星空が出ていました。
カメラを抱えてこっそりと外に出てみます。

Various of Mt. 2011 by Kiss 024
東の空から上がってきたのは、冬の星座のオリオン座。
冷たい空気の中、しばらく夢中で星を眺め写真を撮っていました。
まだまだピントが合わずうまく撮れませんが、手元のスイッチでシャッターを開放して撮影を待っている間のドキドキ感が楽しいです。

少し冷えた体で部屋に戻り、布団にもぐりこみ再び眠りに付きました。
翌朝もいい天気になりそうです。



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初雪!!

いよいよ明日から秋の3連休ですね。
天気もまずまずのようで、気持ちのいい行楽日和になりそうです。
休暇の計画は出来ていますか?


涸沢から帰ってきました。
今日は朝食準備を早朝から手伝ったのですが、外に出てみてびっくり!
なんとなんと!!雪化粧していました。
晴れるだろうと思っていたので、まさかの初雪にとても驚きました。

Fall of full 045
まだ真っ暗な、日の出前のヒュッテの玄関前です。
みぞれのような重たい雪でしたが、石畳を真っ白にしていました。

Fall of full 049
一緒に早番だったちえちゃんが、テラスに出て書いた『初雪』の文字。
寝不足も連日の忙しさも寒さも忘れて、束の間の雪を楽しんでいました。

午前中は雲が残り稜線はほとんど見えませんでしたが、雪は薄っすら付いている程度で、気温が上がればすぐに溶けてしまうと思います。
冠雪は、遠く離れると見えないかもしれません。


朝晩かなり冷え込んでいます。
山へお出かけの方は、暖かい服装の準備を忘れずに…。
Fall of full 051



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徳本峠ピストン

天気が不安定だった夏の終わり頃、とにかくどこかに登りたくて選んだのは、徳本峠でした。
登った先で天気が悪くなければ、霞沢岳まで登ってしまおうという淡い期待まで抱いて、早朝から登り始めます。

まだ人のいない遊歩道を歩いて明神館の横を過ぎ、徳本峠へ続く登山道へ足を運びます。
いつ歩いても、ひっそりとしていてクマに出会いそうな登山道です。
でも、決して嫌な雰囲気は無く、もしもクマに会ったら『森のクマさん』を歌いながら踊ってやろうと何故か思ってしまう道です。

vsrious photos in September 017
以前、滑って転んだ木の橋を慎重に渡ります。
まだまだ緑のモミジと勢いよく流れる沢の水。
とても涼しい空間でした。

つづら折の道をジグザグと歩き、高度を上げていきます。
空が開けて明るい場所では、花が咲き、虫たちが蜜を一生懸命吸っていました。

vsrious photos in September 019
ヤマゼリは、大輪を咲かせ、真っ白な線香花火のように見えました。
その花の蜜は美味しいのか、止まりやすいからなのか…たくさんのガが集まっていました。

vsrious photos in September 023
森の中を歩くことが多いこの登山道では、たくさんのキノコにも出会える場所でもあります。
ずいぶん前に倒れたと思われる木には鮮やかなコケが生えていました。
そしてかわいく並んだキノコたち。
寝そべりそうなくらいの体制になって、写真を撮ってしまいました。

徳本峠に近づいていくにつれ、よりしっとりとした空気が漂ってきました。
霧が辺りを包み、細かい細かい霧雨が全身を濡らしていきます。
けれど雨具を着込むほどでもなく、気にせず歩いていきました。

vsrious photos in September 027
大雨で登山道が壊れていた部分があり、ちょうど直されたばかりでした。
丸太が組まれ、足場は雨でも歩きやすくなっていました。
あいにくの天気でしたが、最後の仕上げを業者さんがしていました。
本当にお疲れ様です。

vsrious photos in September 029
徳本峠に到着しましたが、やはり視界は開けず、霧どこまでも続いていました。
少し上にある展望台に行ってみましたが、やはり変わらず。

今日はあきらめて、下ってしまおう…(涙)
そう決めてからは、即下山開始です。
徳本峠の滞在時間、およそ5分。
また天気がいい日に来ればいいからと、開き直って下りました。

帰り道といっても、同じ道の往復です。
行きに撮らなかった植物たちを写真に収めながら下りました。

vsrious photos in September 032
また新たに見つけたキノコを写真に撮り、その見事さに喜んでしまいます。
円錐形の、傘を閉じたような長細さがきれいでした。
観察するのが楽しくて、今のところ食べたいとは思わないので、毒の有無は気にしません。

vsrious photos in September 035
まだまだきれいに咲いているゴマナ。
初秋はキク科の花がたくさん見られます。
食べられるらしいのですが、美味しいのでしょうか。

vsrious photos in September 036
優雅な匂いを放っていたのは、サラシナショウマ。
その匂いに誘われたのか、花にはガがびっしり!
その多さにさすがに気持ち悪さを感じてしまいました。

vsrious photos in September 037
明神に近い登山道脇でたくさん咲いていたのは、キツリフネです。
この花も今年はたくさん見ることが出来ました。
葉から柄を出し釣り下がるように咲いた花は、不思議な形をしています。

vsrious photos in September 038
水辺の近くで見つけたのは、クロクモソウです。
花の色からこの名がついたとありますが、見つけた花は赤っぽい色をしていました。
じっくり見ていると、これまた不思議な形…。


いつの間には自分を覆っていた霧は無くなり、濡れていた髪や肩は知らない間に乾いていました。
明神から右岸を帰っている途中で、空は青空が顔を出し、日が射してきました。
「どういうこと!?」もっとゆっくり出発すれば良かったのかなとちょっと後悔しながら、上高地に戻ってきました。
天気には振られっ放しの夏でした。



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今秋一番の冷え込み

今日は、この秋一番の冷え込みになりました。
部屋の出窓に置いてある寒暖計は氷点下を指していました。
窓の下部まで土に埋もれている部屋なので、とても寒いです(涙)

北アルプス北部の白馬岳や立山連峰は、昨日初冠雪を観測しました。
南部にあたる穂高連峰は天気が良く、冠雪はまだ見られません。


今日は真っ白な朝を迎えました。
最低気温は-1.2℃でした。(ビジターセンター調べ)

Fall of Kamikochi 2011 007
河童橋は霜が下りて真っ白になっていました。
欄干には小さな霜柱がいっぱい立っていました。
橋を行き来する人たちは、滑らないように慎重にすり足で歩いていました。

Fall of Kamikochi 2011 012
まだ日の当たらない河原は、とてもひんやりとしています。
水の流れがない、水が溜まった場所ではうっすらと氷が張っていました。
初霜で、初氷です。

川の冷気を浴びた河原の若い木々たちは、真っ白に霜を覆っています。
1枚1枚見ていくと葉の表面が起毛しているように見え、凍っているのに暖かそうに見えてきました。

Fall of Kamikochi 2011 019
ザラメ砂糖をまぶしたような葉っぱ。
少し色が変わっていたところに霜が下りて、つぶつぶコーティングされていました。

Fall of Kamikochi 2011 028
砂糖菓子のように見えるのは、咲き終わりに近いノコンギク。
花びらも葉も、白く透明な氷に覆われて、宝石みたいにも見えてきます。
儚い、今だけの姿です。

Fall of Kamikochi 2011 021
赤くなってきたヨモギも、真っ白に霜化粧です。
寒そうにも、暖かそうにも見えてきませんか。


初霜の便りが届いて、秋本番と同時に冬の足音が聞こえてきます。

明日から再び涸沢へ行ってきます。
天気があまり良くありませんが、一気に秋の色が深まるのではとポジティブに考え期待しています。
秋の変化を帰ってきたらお伝えしたいと思っています。
風邪を引かないようにしなくては…。

最新情報を伝えたいけれど、どんどんずれて遅れていく状況に自己嫌悪。
先月登った山をまだ全く紹介していません(焦)
気長に待って読んでやってください。
お願いします。
涸沢から帰ってきたら、順次アップしていきます。



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上高地のこと | コメント:0 | トラックバック:0 |

大空を羽ばたく

今シーズンは、たくさんのチョウやトンボを目にします。

稜線のさらに高い所を風に乗って舞い上がるチョウ。
湿地の水溜りを水面ぎりぎりに一直線に低空飛行するトンボ。

その姿は、時に優雅で、時に厳しい自然と闘っているように見えます。

Early fall 005
アカトンボが飛び始めると、そろそろ秋になってきたなぁと感じます。
真正面からカメラを近づけているのに逃げませんでした。
アカトンボは一番撮り易い被写体かも…と思います。
何を考えているんだろう。

Early fall 008
今シーズン、本当によく目にしたアサギマダラ。
上高地でも、3000m近い稜線でも見ることが出来ました。
ただ、写真に収めるのが本当に難しい…きれいな羽を広げ空を飛んでいる姿がいつか撮れるといいなと思います。
茶色と青のグラデーションがきれいなチョウです。

急に寒くなって、そろそろ北アルプスでも初冠雪の便りが届きそうな気がします。
上高地周辺の木の色も少しずつ変化が見られるようになってきました。
フリースが手放せない毎日です。



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動植物 | コメント:0 | トラックバック:0 |

涸沢の紅葉情報(10月1日現在)

気が付けばもう10月ですね。
本当に早いなぁ…と月が変わるたびに思い、さまざまなやり残したことに想いを巡らすものの、結局時間だけが過ぎていってしまいます(苦笑)

さて10月といえば、こちらは紅葉の季節です。
上高地のカラマツの黄葉はもう少し先の月末ですが、標高が2000mを越える場所では秋真っ只中です。
1日1日見上げるたびに変わっていく山に同じ姿は無く、見ていて飽きることがありません。
雨が降って、冷え込んで、ぐっと変わった山の色を見るたびに、自然のすごさを何度も何度も実感します。


紅葉と言えば、やっぱり涸沢。
毎年、ここで真っ赤な秋の色を感じたいと思います。
今年もそんな機会に恵まれました。
先月の28日から今日まで涸沢ヒュッテへお手伝いに行ってきました。

例年より早くなるんじゃないかと予想していた紅葉は、実際は思ったよりずいぶん遅くなっています。
来週から3連休頃が一番の見頃になりそうです(あくまで独自の予想です…あしからず)

最新の涸沢の様子を速報でお伝えします。

Karasawa 2011 Fall 034
9月29日、朝7時過ぎ。
涸沢ヒュッテテラスからの様子です。
朝日を浴びた涸沢小屋周辺は、まだまだ緑いっぱいです。

北穂高岳への登山道(南稜)や涸沢岳の斜面は草紅葉が終わりかけて茶色くなってきていました。
この日はとても穏やかで、暖かい1日になりました。
平日で紅葉の見頃よりも少し早いこともあって、休憩時間が長く散歩に出掛けることができました。
その様子は後日アップしますね。

9月最後の日は嵐になりました。
雨風がとても強かったので、トイレに行ったり部屋に戻る数メートルの外の移動でびしょ濡れになりました。
山は全く見えず、時折強く叩きつけるような雨が夕方まで続きました。

Karasawa 2011 Fall 081
10月1日、朝9時前。
2日前の写真と見比べると分かりますが、赤い色が多くなってきました。
小屋の上のほうと、テント場上部の若いナナカマドの発色が進んでいます。
ダケカンバの黄色は少し遅れているかな…といった感じです。

テント場下部の方や、ヒュッテと小屋の分岐辺りの登山道も色づきがはっきりと分かるようになってきました。
週末から週明けには冷え込みそうなので、この後もどんどん色づいてくると思います。

涸沢の秋を初めて過ごすヒュッテの女衆たちは、この1日の色の変化にびっくりしていました。
もっともっとびっくりしながら、歓声を上げながら、あと10日ほどの多忙な日々を元気いっぱい働いて過ごして欲しいなと思います。

涸沢のナナカマドの紅葉を見に出掛けませんか?
登山道と山小屋は混みあっていますが、景色は折り紙つきです!!



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