上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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春山へGO!~涸沢ステイ 2~

5月1日、滞在2日目。
今日も気持ちのいい青空に恵まれました。

起床時間に目覚めたら太陽はすでに昇っていて、真っ青な空と真っ白な残雪のコントラストがとても眩しく目に飛び込んできました。
滞在前から気温が高めになっていたので、太陽が昇るころには雪もそこそこ柔らかく、稜線を目指してどんどん登っていく人影がアリの行列のように見えました。

P1020324.jpg
涸沢から北穂高岳の眺めです。
北穂への登山者は涸沢小屋の横から取りついて、北穂沢を登り北穂の山頂を目指しています。
時間は7時半ごろです。

P1020325.jpg
少し左(西側)に目線を移して…北穂から涸沢岳に続く稜線です。
画像の左端の白くフラットな部分が白出のコルで穂高岳山荘があるところです。
この時期に奥穂高岳を目指す方は、ザイテングラートの南側(画像では左側)のあずき沢から白出のコルまで直登します。
この日はこの画像の一番へ凹んで見えるコル、『最低のコル』まで行ってみようかと考えていました。

前日みんなで飲んでいるときに「早く行かないと、雪が腐るよ」とアドバイスを貰っていたので、なるべく早く行く気満々だったのですが…。
私が思っていた「早め」よりもっともっと「早く行け」ということだったらしく、行こうとしたら「まだ行ってなかったの?」言われてしまい、すでに出遅れ気味に。

秋にはダケカンバの黄葉が綺麗に色づくモレーン横を直登するつもりで、いざヒュッテのヘリポート横から歩き始めたのですが…。
ブッシュが見え始めている周辺は予想以上に雪が柔らかく、スキー裏のシールはうまく雪を捉えてくれません。
直登なんてもってのほかで、生まれたての小鹿ちゃんのように足をプルプルと緊張させながらなんとか登れる角度へ方向転換せざるを得ない状態でした。
敗北感を滲ませながらのジグザグ登行に、ペースも一気にダウンします。

後ろからは、同じところを登って滑ろうと思っているのだろうボーダーふたり組が軽快に追いついてきます。
「自分は自分」と言い聞かせながら、とにかく足を滑らせないように注意し上を目指します。

涸沢小屋の一段上までなんとか登ったところで、周りをゆっくり見渡す余裕が出てきました。

P1020335.jpg
北穂沢を直登し、さらに上を目指す登山者の列。
あちらも頑張っているのでしょうか…勝手にそう思い込んで、自分を奮い立たせます。

獅子岩までは比較的なだらかな斜度なので、スキーで標高を稼ぎます。
しかし上手くスキーで登れない部分も時々出てきて、直登と蛇行を繰り返しながら、なんとか上を目指しました。

P1020340.jpg
くっきりと見えるのは、前穂高岳の北尾根です。
その中のカールの部分は、例年より少ないと言ってもまだまだ真っ白な雪に覆われています。
なめらかな雪の斜面に見えますが、小さな雪崩跡(デブリ)と雨が降った時に出来る縦溝がいたるところに出来ていました。

斜度が急になってからはスキーを脱ぎ、担いで登ることにします。
ブーツで一歩一歩蹴りこみ直登します。

「スキーより早い!」と思っていたら、ブーツが雪に食い込まず踏み抜いてしまします。
思った以上のザクザクぶりに閉口してしまうことが度々あり、無駄に体力を消耗しました。
また、ルートを見て修正しながら登っていたのに、目の前に現れたクレバスが予想以上に深く大きくて、横ばい移動を強いられるなど、反省の多い山行になりました。(滑走のために端っこを登ったらそれが裏目に出てしまった感じです)

P1020348.jpg
そうして、やっと到着した最低のコル。
吊尾根が近くに見えて感動するも、最低のコルと吊尾根との標高差を改めて実感しました。
ザックを下して一息つくと、達成感と大きな安堵感がじんわりと湧いてきます。

P1020351.jpg
稜線を挟んで反対側は岐阜県になります。
笠ヶ岳から弓折岳の山並みが白くえましたが、岐阜県側もやっぱり今年は雪が少ないのでしょうか。

P1020353.jpg
登ってきた方向の景色です。
雪の中に小さく見える、ヒュッテとテント村。
屏風岩の向こうには蝶ヶ岳の山並み。
さらにはその向こうの山々まで見渡せました。

稜線は日差しが強烈なものの、風もなくとても気持ちがよかったです。
もう少しゆっくりしていてもよかったのですが、お昼まであと数十分。
お腹が空いたのでそろそろ帰ろうかな。
そう思って帰れるのは、ここだからこそ出来るのです。

滑り始めは慎重に。
斜度にビビりながらなんとかターンをして、最初をやり過ごします。

その後は華麗に…なんてとても滑れるはずがなく、小さい溝にびっくりし転倒しかけて持ち直すことの繰り返し。
酷使した太ももはもはや限界で、登りも下りもよろよろの蛇行状態でした。

無事に戻ってきていただいたお昼ご飯は、心と身体に染み渡るほど美味しかったです。
やっとほっとすることが出来ました。

P1020361.jpg
その日の午後のテント場の様子です。
どんどんテントが建ち並び、カラフルテント村が絶賛拡大中でした。
GW本番なんだなと実感する昼下がりでした。

こどもの日が近いので、リュックに小さな鯉のぼりを付けて登ってきて、テントに飾る人をよく見かけました。
私もいつかそれをしてみたいなと思っています(笑)


5月2日、滞在3日目。
前日よりも起床時間が早くなったのですが、起きた時にはすでに日は昇っていました。
もう少し早く起きたらモルゲンロートが見られたのに…外に出た瞬間に、寝坊した気持ちになりました。

P1020369.jpg
朝の天体ショーを満喫した人でヒュッテの周りは賑わっていました。
ほんのり色づきを残した穂高の山肌。
自分には、後悔色に見えてしまいます。

お昼までヒュッテでお手伝いをさせてもらって、午後に下ることにしました。

P1020373.jpg
ヒュッテのテラスから見下ろすと、こちらを目指して登ってくるアリさん…もとい、人の列がずっと続いていました。
この日も最高に天気がよく、多くの登山者がやってきています。
分岐から、ヒュッテと小屋(テント場)へ別れて登っていく人の列がよく分かります。

こんなにたくさんの人のそばを滑り降りるなんて。
そう案じていたら、やってきた支配人から「ギャラリーがいっぱいいるなぁ」としっかりプレッシャーを与えてもらいました(苦笑)

ヒュッテの玄関横からスキーを履いて下山開始です。
まずは、一番人が集まっている分岐点へ。
気温の上昇でグラグラになっているであろう道標を差し直すよう、指令が下されていたのです。

道標の周りでは、休憩をしている人や記念写真を撮っている人たちで人だかりが出来ていました。
申し訳なさそうに横から道標を掴んで持ち上げ、雪に差し直します。
思ったより刺さってしまいましたが、これでしばらくは倒れることなく人々に行先を示してくれているでしょう。

再び、スキー板を履いていざ!
スキーで現れ道標に手を出した私に集まる好奇的視線は、痛すぎるほど伝わってきます。
颯爽とその場を後に出来たらかっこいいのでしょうけれど、上手くいくはずもなく、もはや逃げるように立ち去りました。

「なるべく上部を滑ったほうがいいよ」と帰る前にもらっていたアドバイス通り、歩いている人々より高い位置を滑って下りました。

P1020377.jpg
人の列は本谷橋から続いているようで、それを見下ろすように滑ります。
出現し始めたダケカンバのブッシュをうまくトラバースし、いつもと違う景色を楽しみながら下ることが出来ました。

横尾谷出合から本谷の周辺は、鉄砲水か雪崩で砕かれた枝がたくさん散乱していて、その間を登山者は縫うようにして歩いていました。
さすがにその中にスキーで滑りながら入っていく勇気はなく、出合のすぐ下で滑走終了となりました。

長靴に履き替えブーツとスキーを背負い、あとはひたすら歩くのみ。
滞在した3日は気温がとても高く、行きに雪の上を歩いたはずが帰りは融けている場所がいくつもありました。

暑くなることを予想して帽子ではなくサンバイザーを被って登ったら、頭皮が真っ赤に日焼けして後日脱皮しました。
頭にもUVが必要だと痛感しました。

しんどい思いもしたけれど、それ以上に楽しい時間を過ごせました。
涸沢でこの時期にみんなに再会出来たことは、今シーズンの仕事にも山登りにもいい影響を与えてくれそうです。
お世話になったヒュッテのみんなに感謝です。
笑顔で迎えてくれた小屋のみんなもありがとう。



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山歩き日記 | コメント:3 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

僕も今年は小屋開けに行ったので、
涸沢、滑りに行きたかったなぁ~・・・。
天気もタイミングも合わずでした。
2015-05-30 Sat 20:25 | URL | SpringBank #-[ 編集]
☆Spring Bankさん
今年は連年に比べて雪が少なかったので、なんだか春山スキーをしたんだかしてないんだか分からないまま夏になってしまったように思います。
…と言っても、スキー板を担いで登ったのは過去最高だったはずなのですが。
また冬になるのを首をながーくして待つしかないですね。
2015-06-28 Sun 15:20 | URL | うみ #-[ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-07-13 Mon 19:16 | | #[ 編集]

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