上ッテ下ッテ また 上ル

毎日あんなに暑かったはずなのに…なんだか秋らしさいっぱいの上高地です。ここからまた、上ったり下ったり。

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白馬大雪渓BCスキー

すでに遠い昔のような、5月も中旬のことですが…(汗)
同じ長野県、同じ北アルプスと言っても、完全アウェーの白馬大雪渓にスキーを担いで登ってきました。

乗鞍岳の春山バスを利用して、一応勝手の分かっている斜面を滑れたらいいなぁと思いながら、次の休暇を楽しみにしていました。
ところが、例年より早い雪解けによって斜面は大きな溝が縦に走っていて滑りにくそうだという情報を得て、前日に行先が白馬に変更になってしまいました。

気楽な気分は一転、不安だらけ。
登れるかな。
滑れるかな。
落石…めっちゃ怖い(泣)

不安が大きすぎて「いっそのこと天気が悪けりゃいいのに」と正直思わなくもなかったのです。(相変わらずのネガティブ思考ですみません…)
ですが迎えた当日はここ数日の中でも一番天気が良く、「今日行かないでいつ行くよ?」と言い聞かせるしかない絶好のバックカントリー日和となったのでした。

今回この山行を企画し一緒に登ってくれたのは、パウダー大好きバックカントリー大好きのマスターです。
まずは板もブーツも背負って、猿倉から歩き始めます。

猿倉周辺は、まさに新緑の季節。
鮮やかで柔らかい新緑にそこら一帯が染まっていました。

まずは白馬尻を目指します。
雪が無いと思っていたのに歩き初めからほとんど雪が付いていて、つづら折りの道を直登したりしてショートカットすることが出来ました。
そして思ったより早くスキー登行に切り替えます。

スキー板を前に出すたびに、ビンディングのリズミカルな音が響きます。
滑って帰れるのか心配になるくらいの狭い木立を抜けると、やがて真っ白な雪渓が広がりました。
あれ?どこから大雪渓??

当然あると思っていた白馬尻小屋は影も形もありません。
雪崩の巣窟ゆえ、冬期は解体されてることを初めて知りました。
そう言えば、プレハブだったな…と思い出すものの結構大きい山小屋だったので、にわかに信じられず、何度も振り返っては真っ白な雪面を眺めていました。

ひたすら上を目指してスキーを前に進めます。
時々のんびりしたカッコウの鳴き声が谷間に響きます。

「あ、落石!」前を歩くマスターが突然声をあげました。
一瞬、緊張が走ります。
しかし私には落石の瞬間も雪の上を転がる石の音も分からず、きょろきょろと辺りを見渡しても鳥のさえずる穏やかな空間が広がって見えるだけでした。

しばらく無言で登って斜面を見上げると、右上部から茶色の筋が雪渓中央まで伸びているのが目に入りました。

P1020524.jpg
落石…と言うより、土も一緒に山の表面が崩れ落ちたように見えます。
さっきマスターが言った「落石」が同じものか分かりませんが、ついさっき発生したことは確かなようです。
その周辺には豆粒くらいの人影がいくつか見え、再び緊張が走ります。
巻き込まれた人って、まさか…居ないよね??

立ち止まって人々の動きを見ていたのですが、皆上を目指して歩いているようです。
「あぁ…よかった」安堵感が広がります。
ただ、やはりこの季節は落石が多いことを目の当たりにし、気分がズーンと落ち込んでしまいそうでした。

この落石の危険地帯をなんとか立ち止まらないで素早く通り過ぎようと努力します。
しかし息が上がり、シールも上手くかんでくれず、気分ばかり焦ってしまいました。

P1020528.jpg
なんとか無事に通過した後に見上げた斜面からは、大量の土砂と根ごと転がってきた倒木が流れて止まっていました。
そして流れからはみ出て至る所に散乱した大量の石。

この辺りから、拳サイズの石が雪の中に隠れて散らばっていました。
きっと斜面から転がっては雪の上に落ち、石の周りの雪が解けて沈んでしまい隠れているように見えるのでしょう。

P1020532.jpg
葱平を過ぎた辺りから斜度が出て、スキーで登るのは難しくなってきました。
板を背負い、キックステップで慎重に上を目指していきます。
今回の行先は、白馬岳ではなく杓子岳に行くことにしました。
夏道沿いではなく、小雪渓と呼ばれる沢を確実に登っていきます。

稜線の手前で雪が切れ、稜線の雪は全く無い状態でした。
雪の上で板を置きブーツからスニーカーに履き替えて、山頂を目指します。
軽くなった足回りが嬉しいものの、ガレ場の小石に足を取られて歩きにくく、山頂までが目の前にあるのに遠く思えました。

P1020548.jpg
杓子岳(2,812m)山頂に到着です。
なだらかに続く稜線の先には、白馬鑓ヶ岳が見えました。

P1020542.jpg
反対は、白馬岳。
先に板を担いで登った人たちがかなり急な斜面を颯爽と滑り降りていくのが見えました。

P1020552.jpg
まだまだ雪が残る山並みは、滑ったらとても気持ちよさそうに思えます。
気持ちに余裕があるせいかはわかりまんが…。

あのなめらかな斜面を滑っては登り、そして滑って。
いつかそれが出来たらいいなと思うほどの、きれいな景色でした。

P1020544.jpg
雪の残るなめらかな斜面の向こうに見えるのは、剱岳です。
ごつごつした急な岩肌はほとんど雪が残っていませんが、まだまだ人を寄せ付けないような凛としたたたずまいに見えました。

杓子岳の山頂は風が少しあったものの、それほど寒くなかったので、360度の景色を見ながらランチタイムにしました。
お腹が満たされると疲れていた体も元気になり、下ることにします。

稜線から少し下の、ハイマツ帯の下部から滑走開始です。
ドキドキ、バクバク…心臓に悪い瞬間がやってきました(苦笑)

そんな気持ちを知ってか知らずか、マスターはサラッと滑り始めました。
この瞬間が一番楽しみなので、待ちきれなくて当然なのですが…。

P1020570.jpg
ざくざくの雪をシュプールに変え、相変わらず狂いの無いきれいなターンを描いて行きます。
上から見ていたら、どんな場所でも滑りやすそうな斜面だと錯覚してしまうくらいの滑らかで積極的な滑りです。
眼下に広がる景色に吸い込まれていきそうなほど、一気に滑り下りていきました。

P1020588.jpg
杓子の山並みをバックに滑り降りるマスター。
とても気持ちよさそうです。
時間をかけて登った斜面は、一瞬で滑ってしまいました。

いざ、自分の滑走…だったのですが。
ビビり調子でなかなかターンできず、もったいない斜面の横滑り。
そうして、やっとの思いで最初のターンを決めてからは、なんとか緊張がほぐれてきました。

20150514hakuba2.jpg
ガチガチに緊張した感じが抜けていない滑りですが…。
ひとつひとつを丁寧に、体勢が崩れてしまわないようにだけ考えて滑りました。

全然楽しめてない感じもありますが、途中からは何とか周りを見渡す余裕も出てきました。
そして中腹まで下ってからは、小粒の落石との戦いでした。
避けても避けても隠れた石にヒットして、ガリガリとソールを削る音がします。
「これもまた経験値だから」と言い聞かすしかない、悲しい音でした(涙)

P1020649.jpg
大雪渓を滑りきり、白馬尻を過ぎて、林道まで戻ってきました。
行けるとこまでスキーで滑っていきますが、この辺りは新緑がとてもきれいでした。

滑るのがつらくなったところで、スキー板を背負って最後の下りを歩きます。
足が疲れているのが分かるくらい、よろよろしていました。

20150514hakuba3.jpg
猿倉荘の少し上の標高1250m辺りのブナ林は、ちょうど新緑真っ盛りでした。
柔らかな緑色が空を覆いつくし、生命力に満ちた空間が広がっていました。

こうして無事に終わった(スキー板は無傷ではすみませんでしたが)大雪渓バックカントリー。
少しまた経験値がアップしたかなと嬉しく思います。
今シーズンはこれで滑り納めだと思いながら、汚れた板とブーツをきれいにして片づけたのでした。



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鳥の諸事情

上高地にはさまざまな鳥がいます。
その中でも、いつも見られる鳥のちょっとした生活の一部分をご紹介したいと思います。


マガモは越冬するために日本にやってくる冬鳥ですが、上高地では留鳥として1年中見ることが出来ます。
上高地では最も身近な鳥と言ってもいいかもしれません。

P1020449.jpg
こちらは、オスのマガモが逆立ちしながら餌を食べている様子です。
ひっくり返ったりしないのかなと眺めていたら、起き上がりこぼしのように起き上がっては逆立ちして…を繰り返していました。
きっと水の中では、首をうんと伸ばして餌を求めているのでしょうね。


キジバトは夏鳥で、春から秋まで見られます。
すなわち、上高地の開山している間はほぼ見られるということです。
餌を探しながらトコトコ歩いたり、木の上でのんびりさえずったりしています。
人を恐れないので、かなり近い距離でみられる鳥です。

P1020486.jpg
こちらのキジバトは何度追い払っても施設内に入ってきて、外に出してあげようとしたら大暴れして窓ガラスにぶつかり、なんとか救出された直後の様子です。
胸の下や背中からはみ出た毛が、呆然としているであろう様子を物語っています。
しばらくそのまま日光浴をし(途中は陰に移動し)気が付いたらいなくなっていました。

普段は気にしない(気にならない)鳥たちも、時々さまざまな姿を見せてくれます。
今は繁殖の季節。
巣立ったばかりの小さな雛たちがお母さんと一緒に行動する様子が運よく見られることもあります。



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春山へGO!~涸沢ステイ 2~

5月1日、滞在2日目。
今日も気持ちのいい青空に恵まれました。

起床時間に目覚めたら太陽はすでに昇っていて、真っ青な空と真っ白な残雪のコントラストがとても眩しく目に飛び込んできました。
滞在前から気温が高めになっていたので、太陽が昇るころには雪もそこそこ柔らかく、稜線を目指してどんどん登っていく人影がアリの行列のように見えました。

P1020324.jpg
涸沢から北穂高岳の眺めです。
北穂への登山者は涸沢小屋の横から取りついて、北穂沢を登り北穂の山頂を目指しています。
時間は7時半ごろです。

P1020325.jpg
少し左(西側)に目線を移して…北穂から涸沢岳に続く稜線です。
画像の左端の白くフラットな部分が白出のコルで穂高岳山荘があるところです。
この時期に奥穂高岳を目指す方は、ザイテングラートの南側(画像では左側)のあずき沢から白出のコルまで直登します。
この日はこの画像の一番へ凹んで見えるコル、『最低のコル』まで行ってみようかと考えていました。

前日みんなで飲んでいるときに「早く行かないと、雪が腐るよ」とアドバイスを貰っていたので、なるべく早く行く気満々だったのですが…。
私が思っていた「早め」よりもっともっと「早く行け」ということだったらしく、行こうとしたら「まだ行ってなかったの?」言われてしまい、すでに出遅れ気味に。

秋にはダケカンバの黄葉が綺麗に色づくモレーン横を直登するつもりで、いざヒュッテのヘリポート横から歩き始めたのですが…。
ブッシュが見え始めている周辺は予想以上に雪が柔らかく、スキー裏のシールはうまく雪を捉えてくれません。
直登なんてもってのほかで、生まれたての小鹿ちゃんのように足をプルプルと緊張させながらなんとか登れる角度へ方向転換せざるを得ない状態でした。
敗北感を滲ませながらのジグザグ登行に、ペースも一気にダウンします。

後ろからは、同じところを登って滑ろうと思っているのだろうボーダーふたり組が軽快に追いついてきます。
「自分は自分」と言い聞かせながら、とにかく足を滑らせないように注意し上を目指します。

涸沢小屋の一段上までなんとか登ったところで、周りをゆっくり見渡す余裕が出てきました。

P1020335.jpg
北穂沢を直登し、さらに上を目指す登山者の列。
あちらも頑張っているのでしょうか…勝手にそう思い込んで、自分を奮い立たせます。

獅子岩までは比較的なだらかな斜度なので、スキーで標高を稼ぎます。
しかし上手くスキーで登れない部分も時々出てきて、直登と蛇行を繰り返しながら、なんとか上を目指しました。

P1020340.jpg
くっきりと見えるのは、前穂高岳の北尾根です。
その中のカールの部分は、例年より少ないと言ってもまだまだ真っ白な雪に覆われています。
なめらかな雪の斜面に見えますが、小さな雪崩跡(デブリ)と雨が降った時に出来る縦溝がいたるところに出来ていました。

斜度が急になってからはスキーを脱ぎ、担いで登ることにします。
ブーツで一歩一歩蹴りこみ直登します。

「スキーより早い!」と思っていたら、ブーツが雪に食い込まず踏み抜いてしまします。
思った以上のザクザクぶりに閉口してしまうことが度々あり、無駄に体力を消耗しました。
また、ルートを見て修正しながら登っていたのに、目の前に現れたクレバスが予想以上に深く大きくて、横ばい移動を強いられるなど、反省の多い山行になりました。(滑走のために端っこを登ったらそれが裏目に出てしまった感じです)

P1020348.jpg
そうして、やっと到着した最低のコル。
吊尾根が近くに見えて感動するも、最低のコルと吊尾根との標高差を改めて実感しました。
ザックを下して一息つくと、達成感と大きな安堵感がじんわりと湧いてきます。

P1020351.jpg
稜線を挟んで反対側は岐阜県になります。
笠ヶ岳から弓折岳の山並みが白くえましたが、岐阜県側もやっぱり今年は雪が少ないのでしょうか。

P1020353.jpg
登ってきた方向の景色です。
雪の中に小さく見える、ヒュッテとテント村。
屏風岩の向こうには蝶ヶ岳の山並み。
さらにはその向こうの山々まで見渡せました。

稜線は日差しが強烈なものの、風もなくとても気持ちがよかったです。
もう少しゆっくりしていてもよかったのですが、お昼まであと数十分。
お腹が空いたのでそろそろ帰ろうかな。
そう思って帰れるのは、ここだからこそ出来るのです。

滑り始めは慎重に。
斜度にビビりながらなんとかターンをして、最初をやり過ごします。

その後は華麗に…なんてとても滑れるはずがなく、小さい溝にびっくりし転倒しかけて持ち直すことの繰り返し。
酷使した太ももはもはや限界で、登りも下りもよろよろの蛇行状態でした。

無事に戻ってきていただいたお昼ご飯は、心と身体に染み渡るほど美味しかったです。
やっとほっとすることが出来ました。

P1020361.jpg
その日の午後のテント場の様子です。
どんどんテントが建ち並び、カラフルテント村が絶賛拡大中でした。
GW本番なんだなと実感する昼下がりでした。

こどもの日が近いので、リュックに小さな鯉のぼりを付けて登ってきて、テントに飾る人をよく見かけました。
私もいつかそれをしてみたいなと思っています(笑)


5月2日、滞在3日目。
前日よりも起床時間が早くなったのですが、起きた時にはすでに日は昇っていました。
もう少し早く起きたらモルゲンロートが見られたのに…外に出た瞬間に、寝坊した気持ちになりました。

P1020369.jpg
朝の天体ショーを満喫した人でヒュッテの周りは賑わっていました。
ほんのり色づきを残した穂高の山肌。
自分には、後悔色に見えてしまいます。

お昼までヒュッテでお手伝いをさせてもらって、午後に下ることにしました。

P1020373.jpg
ヒュッテのテラスから見下ろすと、こちらを目指して登ってくるアリさん…もとい、人の列がずっと続いていました。
この日も最高に天気がよく、多くの登山者がやってきています。
分岐から、ヒュッテと小屋(テント場)へ別れて登っていく人の列がよく分かります。

こんなにたくさんの人のそばを滑り降りるなんて。
そう案じていたら、やってきた支配人から「ギャラリーがいっぱいいるなぁ」としっかりプレッシャーを与えてもらいました(苦笑)

ヒュッテの玄関横からスキーを履いて下山開始です。
まずは、一番人が集まっている分岐点へ。
気温の上昇でグラグラになっているであろう道標を差し直すよう、指令が下されていたのです。

道標の周りでは、休憩をしている人や記念写真を撮っている人たちで人だかりが出来ていました。
申し訳なさそうに横から道標を掴んで持ち上げ、雪に差し直します。
思ったより刺さってしまいましたが、これでしばらくは倒れることなく人々に行先を示してくれているでしょう。

再び、スキー板を履いていざ!
スキーで現れ道標に手を出した私に集まる好奇的視線は、痛すぎるほど伝わってきます。
颯爽とその場を後に出来たらかっこいいのでしょうけれど、上手くいくはずもなく、もはや逃げるように立ち去りました。

「なるべく上部を滑ったほうがいいよ」と帰る前にもらっていたアドバイス通り、歩いている人々より高い位置を滑って下りました。

P1020377.jpg
人の列は本谷橋から続いているようで、それを見下ろすように滑ります。
出現し始めたダケカンバのブッシュをうまくトラバースし、いつもと違う景色を楽しみながら下ることが出来ました。

横尾谷出合から本谷の周辺は、鉄砲水か雪崩で砕かれた枝がたくさん散乱していて、その間を登山者は縫うようにして歩いていました。
さすがにその中にスキーで滑りながら入っていく勇気はなく、出合のすぐ下で滑走終了となりました。

長靴に履き替えブーツとスキーを背負い、あとはひたすら歩くのみ。
滞在した3日は気温がとても高く、行きに雪の上を歩いたはずが帰りは融けている場所がいくつもありました。

暑くなることを予想して帽子ではなくサンバイザーを被って登ったら、頭皮が真っ赤に日焼けして後日脱皮しました。
頭にもUVが必要だと痛感しました。

しんどい思いもしたけれど、それ以上に楽しい時間を過ごせました。
涸沢でこの時期にみんなに再会出来たことは、今シーズンの仕事にも山登りにもいい影響を与えてくれそうです。
お世話になったヒュッテのみんなに感謝です。
笑顔で迎えてくれた小屋のみんなもありがとう。



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春山へGO!~涸沢ステイ その1~

巷はゴールデンウィーク。
私もそれに合わせたかのように、夢の(?)3連休を取らせてもらいました。

その連休中に向かった先は、上高地から歩くこと6時間の涸沢。
この時期に涸沢に行くのは、小屋番をしていた時以来です。


4月30日。
しばらく快晴続きで、この日も裏切ることなく晴れた朝を迎えました。
しっかり朝食を摂り、ザックにはスキー板とブーツを固定し、いざ出発です。

板を背負う…ただそれだけで、何故か心臓がドキドキバクバクします。
滑れることを心配してる?
それとも登れることを心配??
なんだかいつもと違う慣れない山歩きスタイルに、ひょっとしたら身体が勝手に緊張していたのかもしれません。

そんな無駄にテンポアップした鼓動は少し歩けば治まって、園路内の観察も兼ねてゆっくりしたスピードで歩くことが出来ました。
少し前に情報収集で歩いた時には雪がいっぱいあったのに、今回は徳沢までの道には雪は全くありませんでした。
足元の小さな芽吹きを探してみたり、さえずる鳥の行方を追ってみたり…立ち止まってはカメラを取り出し、きょろきょろパチリ。
そんなこんなで、かなりのスローペースとなりました。

P1020251.jpg
朝陽を浴びた新芽は、今まさに葉を開こうとしているオオカメノキ。
葉と葉が手を繋いでいるようで、なんだかほっこり和める姿でした。

P1020255.jpg
雪が解けあっという間に顔を出したのは、ニリンソウ。
ピンク色の小さなかわいい蕾をつけていました。
例年より、1週間から10日程早く成長しています。

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葉を開き始めているのは、クルマバツクバネソウ。
きゅっとねじれていた葉がほどけていく感じがとても好きです。

P1020274.jpg
横尾山荘前の様子です。
この日はGWと言っても平日だったので、それほど混雑はしていませんでした。
この時期に鯉のぼりが橋の上で泳いでいるのを初めて知りました。
青空の下の鯉のぼりはとても気持ちよさそうでした。

登山道が雪に覆われていて、横尾の手前から車道を歩きました。
横尾から先も、すぐに雪道になりました。
ザクザク雪と冷たいシャーベット状の雪が混ざった水たまり。
長靴だったので気にせず突進出来ましたが、登山靴だったら水たまりを避けるのに一苦労だったと思います。

屏風岩がよく見える場所では大きな雪崩跡があり、長いトラバースが必要です。
ただ、きちんと雪を切って道が作られているので、足元をしっかり確認しながら歩けば問題はありません。

P1020292.jpg
雪解け水をたくさん集め、勢いよく流れていく清流の梓川。
こういう景色を見ると「春だなぁ」と実感します。

本谷橋周辺はまだ雪が深く、橋は架かっていません。
橋が架かるまではもう少し雪が解けを待たなくてはならないようです。

P1020299.jpg
小さなクレバスが出来始めている本谷橋上部の様子です。
今回は沢に沿って登っていくこの時期限定のルートを歩きます。

スキー板にシールを貼り、背負ってきたブーツに履き替えます。
1年ちょっとぶりのシール登行…なんだか違和感だらけで、ものすごくぎこちない自分が居ました(涙)

歩き慣れないのと、ざくざくに緩んだ雪のせいで、大した傾斜でもないのに直登できず、ジグザグに登っている間にツボ足のパーティに散々追い抜かれました。

P1020305.jpg
時間短縮の期待が木端微塵に打ち砕かれ、登る気力も失いかけ…。
雪の照り返しが眩しくて痛く、涙が止まらなくなりました。
それでも広がるのは、果てしなく続くように思われる雪の沢。

心が折れそうになりながらも、足を前に出す努力をします。
1、2、3…ひたすら歩みをカウントしながら。

P1020306.jpg
目線の先に見えたのが、この雪だるまです。
転がっていた雪の塊と落ちていた枝で作ったものでしょう。
目が無くなっていたので、代わりになりそうな物を拾って付けてあげました。
心が潤って、笑顔になれます。

P1020312.jpg
今日の目的地の涸沢が見えてきました。
あと少し、でもまだまだある…。
そんな葛藤に負けないよう、ひたすら歩きました。

ヒュッテに近づくと、テラスで休憩していた小屋番たちが手を振ってくれましたが、これまた大きなプレッシャーで(苦笑)
見えている(見られてる)間は、リズミカルに歩くことだけ集中していました。

なんとか無事にヒュッテにたどり着き、売店でいただいたラーメンがとても美味しく、ほっと染み渡りました。
さっそく、ヒュッテで太陽の光をいっぱいに浴びた布団を片付けるお手伝いをさせてもらいました。

翌日はスキーでさらに上を目指します。
続きはまた…。


♪おまけ♪
P1020317.jpg
長野県警の常駐隊が、GW期間中涸沢に入っていました。
前穂北尾根斜面で訓練をしていました。
安全登山と無事故を祈って…。



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第47回開山祭が行われました

ここ数日のいいお天気で、上高地周辺の雪はほとんど無くなりました。
徳沢までは問題なく歩くことが出来ますし、小さな芽吹きも始まっています。
連休で丸1日居なかっただけでカラマツ芽吹きが進んでいて、少しずつ緑色が目につくようになってきました。
上高地が鮮やかな新緑色に包まれるのは、例年より早いかもしれません。


4月27日は、上高地の開山祭でした。
入山し仕事が始まってから10日余り…あっという間な気がしますが、「やっとシーズンが始まったんだなぁ」という気持ちも相まっています。

上高地で働いていて、開山祭を全て見たのは恥ずかしながら今回が初めてでした。
この日は最高の天気に恵まれ、日差しがさんさんと降りそそぎ、とても暖かい1日になりました。(下界は暑い1日だったようですが)

P1020171.jpg
まずは乗鞍アルプホルン愛好会の人たちによる演奏で、開山祭の幕開けとなりました。
アルプホルンの包み込むようなゆったりとしたメロディが、上高地いっぱいに広がります。

雪の残る穂高とアルプホルン。
かっこいいですね。

そして、さらに雰囲気を盛り上げてくれるのがアコーディオンの演奏です。
久しぶりにお会いしたKAZUさんは、軽快なリズムで「アルプスの少女ハイジ」のオープニング曲を演奏してくれました。
あぁ…撮り貯めてある「ハイジ」が見たくなってしまいます(笑)

個人的にグッと心を掴まれたところで祭事に移りました。
今度は厳かな雰囲気になりました。

P1020190.jpg
穂高神社の神主さんによって、穂高に安全祈願の祈祷が捧げられました。

河童橋の真ん中では樽酒が割られ、梓川にはお神酒が献上されました。
そう言えば昨年の閉山式でもお酒が流されたのを間近に見ていたのに…あれからもう5ヶ月も経ってしまったんだなぁとしみじみ思います。

P1020200.jpg
上高地関係者による、玉串の奉納です。
上高地と北アルプスが今シーズンも安全でありますように。
みんなの願いが込められています。

P1020228.jpg
最後に、稲亥の獅子舞保存会の方たちによる、獅子舞の奉納です。
軽快なお囃子と謡のリズムに合わせ、獅子舞は高く低く所狭しと舞っていました。
保存会によって獅子舞の踊りは違っていて面白くかったです。

開山祭が終わった後は、みなさんが楽しみにしていた野宴です。
会場は小梨平に移り、早朝から準備されていた屋台には長い行列が出来ていました。

P1020241.jpg
鏡割りされた樽酒、その他に用意された樽酒にも記念の枡を片手に行列が…。
きらきら輝くお酒はとても澄んでいて美味しそうですね。

さて、今シーズンはどんな年になるのでしょうか。
だらだらしないよう、メリハリのある生活をしたいと思っています。



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